Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その5)
エミッター抵抗をセメント抵抗からDALEの無誘導巻線抵抗にかえた音は、
料理における水の違いにも似ている。
いまでこそ東京の水道水はまともになっているが、
以前はかなりカルキ臭い水だった。
昔の東京の水道水のようなカルキ臭い水を料理に使うと、
水をそのまま飲んだ時よりも、水の味の違いははっきりと出ることがある。
同じ素材を使っても、同じに作っても、
水が不味ければ(カルキ臭い水であれば)、
どんなに丁寧につくったとしても、味の微妙さは、水の不味さによってマスキングされてしまう。
セメント抵抗は、私にとって、まさにカルキ臭い、昔の東京の水道水そのものである。
微妙なニュアンスが、すべて(といって少し大袈裟であるのはわかっているが)損われる。
そう聴こえる。
繊細な味わいはなくなってしまう。
DALEの無誘導巻線抵抗だと、そうは感じない。
だからといって、DALEの無誘導巻線抵抗が理想の抵抗とまでは思っていない。
もっと優れた抵抗が世の中にはあるかもしれないし、将来登場してくるかもしれないが、
少なくとも入手に特別な苦労を必要とせずに、良質な抵抗となると、
いまのところDALEの無誘導巻線抵抗は、私にこれにまさるものは、いまのところない。
そのDALEの無誘導巻線抵抗について、最近ひとつの仮説のようなことを考えている。
十年にならないとはずだが、八年くらい前にBYBEEというアクセサリーが、
アメリカに話題になっていた。
芋虫上の黒い物体を、信号ライン、電源ラインに直列に挿入することで、
量子ノイズを取り除いてくれる、というシロモノだった。