真空管アンプの存在(その30)
正確に、どのくらい後だったのかは憶えていないが、井上先生から、
マランツの#7に、トランスもヘッドアンプも通さずに、
オルトフォンのSPUをダイレクトに接続したことがあるという話をきいた。
初期の#7だと、SPUのダイレクト接続では発振してしまうが、
位相補正が変更された後期の#7では発振は起こらなかったそうだ。
ただし、すこし不安要素は残っていたようだとも話された。
肝心のSN比に関しては、驚くことに、問題なく鳴ったとのこと。
真空管アンプで、なんらかの昇圧手段を使わずにSPUが使え、鳴ってしまうというのは、
井上先生にとっても考えられなかったことだったらしい。
それでも実際に試されているところが、井上先生のオーディオの楽しみ方のすごいところだ。
マランツ#7でSPUが実用になるのかぁ。
#7は、電源トランス内蔵だし、コントロールアンプとしての機能もきちんと備えているにも関わらず、
ノイズレベルに関しては、ほぼ問題ないわけだ。
なのにカウンターポイントのSA2はなぜ……、と当然だけど、そう思ってしまう。