老いとオーディオ(齢を実感するとき・その29)
オーディオマニアとして齢を実感するのは、私の場合、人それぞれだ、と思うことが増えてきたことによってだ。
昔は、若かった頃は、ムキになって説明することもあった。
どうして、このことがわかってくれないのか、どうすれば理解してくれるのか──、
そこにエネルギーを費やすことがあった。
でも、ほぼ過去形になっている。
最初から諦めているわけではないが、何度か言葉を交わしていれば、わかってくる。
この人には、どれだけ言葉を尽くしても……、ということがだ。
人それぞれだから、この人には……、となる。
そういう時に、齢をとったのかなぁ、と思うわけだが、いや待てよ、と思うところもある。
相手にオーディオのことをもっと理解したいという熱があるのならば、それに応えようという気持は、まだある。
そうではなくて、要領よくやろうとしている人、横着な人、
オーディオの体系化された知識ではなく、ウワサ話的なことに興味がある人、
目の前のオーディオマニアが、そんな人たちなのかどうかが、昔よりも判別つくように、こちら側がなったということも関係していよう。