Date: 10月 9th, 2021
Cate: ディスク/ブック
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This One’s for Blanton

デューク・エリントンとレイ・ブラウンによる“This One’s for Blanton”。

私が、このディスクの存在を知った(聴いた)のは、ステレオサウンドの試聴室。
ここまで書けば、昔からの読者、
記憶力のいい方だと、長島先生の試聴だな、と気づかれるだろう。

長島先生の試聴、
それも確か組合せの試聴だったはずだ。

アナログディスクだった。
A面一曲目の“Do Nothin’ Till You Hear from Me”。
出だしの強烈なピアノの音。

長島先生による組合せからの音だったことも、その強烈さを一層増して聴こえた。
それからというもの、私にとって、
“Do Nothin’ Till You Hear from Me”がどういう音で鳴るべきなのか、は、
この瞬間に決ったといっていい。

頻繁に聴いているわけではない。
でも、スメタナの「わが祖国」のように、無性に聴きたくなるときがふいに訪れる。
そういう時は、できるだけ大きな音で聴く。

それだけでなく、音の判断で少し迷ったとき、
“Do Nothin’ Till You Hear from Me”を聴くと、よくわかる。

数日前、ChordのMojoをいじった。
基本的にはメリディアンの218に施したことと同じなのだが、
スペースの都合上、やれなかったことも少なくない。

それでも満足できる音になった。
この音ならば──、とおもい、“Do Nothin’ Till You Hear from Me”を鳴らした。

ヘッドフォンで聴いた。
ヘッドフォンから、あの時、聴いた音が出てきた。

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