Date: 10月 3rd, 2021
Cate: ディスク/ブック
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Falstaff(その3)

真剣に音楽を聴く、
まじめに音楽を聴く、
音楽と向きあいながら聴く、
そんなふうに音楽を聴く態度を表現するわけだが、
これらと「夢中になって聴く」とは、同じとはいえそうなのだが、
違うといえば違うところがある。

何をしながら音楽を聴く、ということからすれば、どちらも同じことである。
まじめに音楽を聴いているのだから。

それでも夢中になって音楽を聴くは、少し違う。

その演奏をまじめに聴く人と、その演奏を夢中になって聴く人とは同じではない。
一人の聴き手に、まじめに音楽を聴くと夢中になって音楽を聴くとがある。

ジュリーニによる「ファルスタッフ」を、これまでまじめに聴いてきた。
少なくとも私のなかではそうであった。
けれど夢中になって聴いてきただろうか、と、
今回バーンスタインの「ファルスタッフ」を聴き終って、そんなことを考えていた。

TIDALにバーンスタインの「ファルスタッフ」があった。
あったのは知っていたけれど、今回初めて聴く気になったのは、
MQA Studioで配信されるようになったからだ。

とりあえずどんな演奏なのか聴いてみよう、
そんな軽い気持からだった。
聴き始めた時間も遅かった。

十分ほど聴いたら、きりのいいところで寝るつもりだった。
なのに、最後まで、二時間ほど聴いてしまった。
夢中になって聴いていたからだ。

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