Date: 5月 7th, 2021
Cate: ヘッドフォン
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Beveridge Audioのこと(その4)

ビバリッジのスピーカーのことを思い出すたびに、わいてくる疑問が一つある。
ステレオサウンドの試聴室のことだ。

50号の新製品紹介記事で、ビバリッジは登場している。
このころの試聴室と私が働いていたころの試聴室は同じである。

六本木にあったころの試聴室は、その後の試聴室とは違う。
木の壁が二面、ガラス窓のある壁が一面、レコード棚の壁が一面である。

ビバリッジのスピーカーシステムが要求する対向する壁への設置、
ステレオサウンドの試聴室では左右で条件が揃わなくなる。

長辺の壁二面に設置した場合、木の壁とガラス窓のある壁とになる。
短辺の壁二面だと、木の壁とレコード棚のある壁とになる。

どちらの壁に設置したのだろうか。
そのあたりのことは50号の記事にはなかった。
もしかすると、輸入元の試聴室で聴いたのかもしれない。

ビバリッジのスピーカーシステムの、日本での知名度は低い。
私はステレオサウンドを読んできていたので知っているが、
それでも実物をみたことはない。

当時の販売店の広告にも登場していたので、
一部の販売店では高く評価されていたのかもしれない。
けれど、だからといって売れたのかは、別の問題だろう。

対向する二面の壁を必要とするのは、導入においてけっこうやっかいなことでもある。
専用リスニングルームであれば問題はなかったりするだろうが、
そうでなければなかなか対向する二面の壁、
それも左右で条件を同じにしようとするのであれば、大変なことだろう。

理想をいえば、しっかりした壁で、設置する壁にはビバリッジのスピーカー以外は置きたくない。
ビバリッジのシリンドリカルウェーヴの考慮すれば、
出来るだけ広い壁、つまり大きい平面バッフルを用意するようなものだ。

ビバリッジが謳うように、シリンドリカルウェーヴがきれいに、
その波面がひろがっていくのであれば、
そういうふうにしたいとなるのがオーディオマニアの心情だろう。

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