Date: 2月 2nd, 2021
Cate: 老い
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老いとオーディオ(オーディオ機器の場合・その2)

続きを書くつもりはなかった。
けれど、今日になってふと思い出したことがある。

あるスピーカーシステムのことだ。
かなり大型で、しかもそうとうに高価なスピーカーシステムである。

その海外ブランドのフラッグシップモデルである。
輸入元が輸入したものの、そう簡単に売れるモノではない。
ずっとその輸入元の試聴室にあった。

これだけの規模のスピーカーを買える(置ける)人は、どんな人なのだろうか。
何度かショールームで、そのスピーカーをみるたびに、そんなことを思ったりした。

ある日、その輸入元の社長(当時)が、売れた、といっていた。
輸入元にとって、あれだけ高価なモノが売れたのは嬉しいことのはずだが、
社長は浮かない顔もしていた。

ほんとうに、このスピーカーに惚れ込んでくれた人のところに行ったのならば……、
ということだった。

これだけのスピーカーをポンと買える人だから、
他にも数多くのスピーカーを持っているとのこと。
もちろんアンプやプレーヤーも同じように複数台持っている。

有名な評論家(オーディオではない)のところに行ったそうだ。
そのスピーカーとして、その人にとっては、多くのスピーカーの一つにすぎないわけだ。

その有名な評論家がぞんざいな扱いをしているとは思わないが、
浮ぶのは、死蔵ということばである。

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