メーカーとしての旬(その6)
勢いがあった、ということでは、
1980年代の国産メーカーの598スピーカーも、ある意味そういえる。
この598スピーカーのはしりといえるオンキョーは、この時、旬だったのか。
少なくとも私はそんなふうにはまったく感じていなかった。
いまふりかえってみてもそうではない、と思っている。
なぜそう感じるのかは、これから考えていくのだが、
ひとついえるのは、598スピーカーを、
どこも自信作として誇っていなかったからではないのか。
他社の598スピーカーが、これだけの物量を投入しているから、
ウチは……、そんな空気があったから、598戦争といわれていた。
消耗戦でもあった。
なので、そこでの勢いは、ほかの時代の、ほかのメーカーの勢いとは違っている。