世代とオーディオ(カセットテープのこと)
数ヵ月前、オーディオマニアではない人数人と話していて、
カセットテープのことが話題になった。
彼らは、いま40代。私よりも十くらい若い。
そんな彼らにとって中学・高校時代によく使っていたカセットテープは、
AXIAだ、とみな口を揃えていう。
そしてコマーシャルに出ていた斉藤由貴がかわいかった、とも、これまた口を揃えていっていた。
AXIAが登場したのは1985年。
それ以前は富士フイルム(のちにフジカセット)だった。
1980年前半には、YMOを広告に使っていたが、
カセットテープ・ブランドとしての知名度は高くなかった。
富士フイルムは以前から磁気テープを手がけていたけれど、
その歴史の割には、TDK、ソニー、マクセルと比較すると、はっきりと地味な存在だった。
私にとって、カセットテープといえば、TDKだった。
そしてADのコマーシャルに登場していたマイルス・デイヴィスが強烈な印象だった。
カセットテープといえばAXIAだ、いう数人は、
富士フイルムだということも知らなかったし、YMOを使っていたことも知らなかった。
私はYMOを使っていたことは知っていたけれど、
斉藤由貴の出ているコマーシャルは見たことがなく知らなかった。
十年でここまで違うのか、
これがジェネレーションギャップなのか、と思うほどに、
富士フイルムの、いわゆるブランディングは成功した、ということなのか。