ヨッフムのマタイ受難曲(その4)
ヨッフムのマタイ受難曲。
いまでは多くのマタイ受難曲がCDとなっている。
でも、私がマタイ受難曲を初めて聴いたとき、
マタイ受難曲のLPの数は少ないとはいわないが、多くはなかった。
名演といわれていたのはリヒターであり、
クレンペラーも高い評価を得ていた。
あとはメンゲルベルク、カラヤン、リリングなどの演奏があった。
ヨッフムのマタイ受難曲は、さほど注目されていなかった、と記憶している。
レコード芸術の恒例の特集となった名曲名盤の企画。
私が20代のころ、ヨッフムのマタイ受難曲に点を入れている人は佐々木節夫氏だけだった。
そういうものなのか、と思ったから、いまもはっきりと憶えている。
私は五味先生の影響で、ヨッフムのマタイ受難曲を最初に聴いている。
そうそう頻繁に聴くわけではないが、こちらが歳をとるとともに、
ヨッフムのマタイ受難曲の美しさが、いかに深いかを感じる。
(その3)は二年半ほど前に書いた。
(その4)を思い出したように書いているのは、
メリディアンのULTRA DACで聴きたい一枚だからだ。