なぜ4343なのか(その3)
4341から4343への変化だけ見ていては断言できないことでも、
4343のあとに登場した4345、4344、4344の改良モデル、
そしてJBLスタジオモニターの4ウェイ最後のモデルとなった4348までの系譜をみれば、
4343が特別なモデルであったことがはっきりと浮び上ってくる。
4341、4345、4344も、優れたデザインとはいえない。
4348にしても、4344からすれば……、という程度に留まっている。
そんな系譜の中に、4343だけがまったく隙のないデザインに仕上げられているのはなぜなのかを考えれば、
それはやはりJBL創立30周年を記念しての、
デザイナーとしてのアーノルド・ウォルフの意図が隠されている、と私は確信している。
おそらく4343はアーノルド・ウォルフのデザインではない、と思っている。
以前も書いているように、ダグラス・ワーナー(Douglas Warner)だと思っている。
アーノルド・ウォルフの可能性も捨てきれないのだが、それでも……、である。
ダグラス・ワーナーは、
アーノルド・ウォルフが経営していたコンサルタント会社でウォルフの助手をしていた人物で、
L200は彼のデザインだということははっきりしている。
ウォルフがJBLの社長に就任した際に、
彼の会社をワーナーが引きつぎ、ワーナー・アンド・アソシエイツと改称している。
そういう男にアーノルド・ウォルフが4343のデザインをまかせた。
だから4343が生れた──。
私は、いまのところそうおもっている。