Date: 3月 20th, 2015
Cate: イコライザー
Tags:

私的イコライザー考(音の純度とピュアリストアプローチ・その5)

音の透明度を高めていくことが、再現する楽器の音色の正確さを高めていく。
そう思い込んでいる人にとっては、
グラフィックイコライザーを挿入することによる音の純度の低下が(それがわずかであっても)、
楽器の音色の再現性を低下させる、ということになっているようだ。

確かにそれまでなかったグラフィックイコライザーを挿入すれば、
音の純度は低下するのは事実である。
だがそれはあくまでも、グラフィックイコライザーを挿入しただけで、
挿入していない音と単純に比較した場合のことでしかない。

グラフィックイコライザーは使いこなしてこそ判断すべきモノであることが、
ここでは忘れられて、音の純度の低下が論じられる。

ただやみくもにグラフィックイコライザーをいじっても、音は良くならない。
それでもやってみなければ何も始まらない。
根気のいる作業ではある。

それでもこつこつと調整をしていけば、音は整っていく。
そうして初めてグラフィックイコライザーを挿入した音、挿入しなかった音を比較すべきなのだ。

適切にグラフィックイコライザーによる調整がなされていたら、
楽器の音色の再現性はどちらが上になるのか。

100%と断言したいところだが、
理想的なリスニングルーム、理想的なオーディオシステム、そして理想的なプログラムソース、
そういった環境下では逆転する可能性もあるので、
ほとんどということにしておくが、
グラフィックイコライザーを適切に調整したほうが楽器の音色の再現性は高い。

もっといえば、個々の楽器の音色の違いが、より自然にはっきりと出てくるようになるし、
そこまで調整してこそグラフィックイコライザーを使いこなしている、ということになる。

つまりグラフィックイコライザーを挿入したときの音が、
挿入していない音よりも楽器の音色の再現性が劣っていれば、
まだまだ調整が適切になされていない、となる。

だからグラフィックイコライザーの調整に必要なのは、絶対音色感ということになる。

Leave a Reply

 Name

 Mail

 Home

[Name and Mail is required. Mail won't be published.]