Date: 5月 21st, 2014
Cate: 4350, JBL
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JBL 4350(その8)

1981年には、カラヤンのマーラーの第九交響曲も出ている。
1979年、80年にかけての録音で、ベルリンフィルハーモニーとである。

カラヤンのマーラーの九番といえば、
1982年のベルリンフィルハーモニーとによるライヴ録音を誰もがあげるだろう。
真摯にマーラーの、この交響曲を聴いてきた人ならば、カラヤンの、この演奏を聴いて、黙ってしまった、と思う。
カラヤンに否定的な態度をとる人でも、沈黙してしまうのではないだろうか。

このディスク(CDのみの発売)で聴けるカラヤンのマーラーは、そういう演奏である。

再録音に積極的だったカラヤンにしても、こんな短期間での再録音は他にない。
なぜ、カラヤンは再録音を行ったのか。
しかもオーケストラはどちらもベルリンフィルハーモニーである。
1982年のライヴ録音では、ウィーンフィルハーモニーであれば、なんとなく理由もわかるような気もするが、
そうではない。

演奏時間を比較してみても、旧盤と新盤とでは大きな違いはない。
ほとんど同じといっていいくらいである。

ただ旧盤はスタジオでのアナログ録音で、新盤はデジタルによるライヴ録音。
この間における録音の進歩。
結局、それが僅かな期間で再録音をした理由であり、だからこそLPを出さずにCDのみの発売だった理由でもあろう。

1982年のライヴ録音の陰にかくれてしまった感のあるスタジオ録音による旧盤の九番。
このディスクも、4350で聴きたいマーラーである。

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