JBL 4350(その9)
ショルティとカラヤンのマーラーが出た1981年ごろは、
このふたりの指揮者の録音にはあまり関心をもっていなかった時期でもある。
カラヤンに関しては、五味先生の書かれたものを読んできた影響がどうしてもあった。
ショルティは、特にこれといった理由はなかった。
ただなんとなく敬遠していた。
4350に関しても同じだった。
このころの私は4350ではなく、4343に夢中だった。
そして4343の後継機である4345に対しても高い関心をもっていたけれど、
4350は(4343、4345でさえ遠いのに)、もっとずっと遠い存在であったため、
それまでにも何度かオーディオ店で聴く機会はあり、
満足のゆく鳴り方ではなくとも、4350ならではの凄さの片鱗は感じとっていた。
まずは(とにかく)4343だ、という気持が圧倒的に強かったからだ。
4350をステレオサウンドの試聴室で聴く機会はなかった。
4355は聴いている。
このふたつのJBLの旗艦モデルは、1980年代後半から1990年代前半にかけて、
個人のリスニングルームで聴く機会は意外にあった。
でも、カラヤンの第九交響曲もショルティの第二交響曲のどちらも聴いていない。
それをいまになって聴きたい、と思っている。