Date: 3月 22nd, 2014
Cate: 930st, EMT
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EMT 930stのこと(ガラード301との比較・その7)

たしかに松田聖子の声の質感はガラードとオルトフォンによる音のほうが、滑らかだった。
それでも気になるのは、松田聖子の歌手としての力量をどちらのプレーヤーがより正確に伝えてくれるか、
正確に再現してくれるか、という視点に立てば、私には930stのほうが、より正確に感じられる。

ガラードでの声の滑らかさはよかった。
それでもガラードでの松田聖子は、EMTでの松田聖子ほど歌手として堂々としているようには感じられなかった。

このへんは松田聖子に対する思い入れによっても評価は分れるかもしれない。
松田聖子の声・歌に何を求めたいのか。

松田聖子の熱心な聴き手であれば、親密感を求めるのかもしれない。
930stでの松田聖子は、人によっては立派すぎると感じるかもしれないところもある。
その意味では、親密感は稀薄ともいえよう。

それでもひとりのプロの歌手として松田聖子を聴きたいのであれば、やはり930stを私はとる。
私は松田聖子のレコードをかけたときに、そこに親密感を求めてはいないからである。

ガラードとオルトフォンでの松田聖子は声の質感だけでなく、
930stほど、各演奏者の距離感が適切には表現されていない。
そのため、こじんまりとしたスタジオで録音している雰囲気が漂う。

これもまた親密感ということではうまく働いてくれるのかもしれない。

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