同軸型ユニットの選択(その18)
アルテック、タンノイといった古典的な同軸型ユニットで、
ウーファー部の磁気回路とホーン型トゥイーター(もしくはスコーカー)の磁気回路が完全に独立しているのは、
長島先生が愛用されてきたジェンセンのG610シリーズがそうである。
完全独立、ときくと、マニアとしてはうれしいことではあるが、
ふたつ以上のマグネットが近距離にあれば干渉しあう。
干渉を防ぐには、距離を離すことが手っとり早い解決法だが、同軸型ユニットではそうもいかない。
ならばひとつのマグネットでウーファー用とトゥイーター用を兼ねよう、という発想が、
タンノイのデュアルコンセントリックの開発に当たっては、あったのかもしれない。
もっともマグネットは直流磁界で、ボイスコイルが発する交流磁界の変化によって、
磁束密度が影響を受ける、それに2次高調波歪がおこることは、
いくつかのスピーカーメーカーの解析によってはっきりとした事実であるから、
一つのマグネット(ひとつの直流磁界)に、二つの交流磁界が干渉するタンノイのデュアルコンセントリックでは、
音楽信号再生時に、どういう状態になっているのかは、専門家の話をうかがいたいと思っている。