喫茶茶会記のスピーカーのこと(その20)
3月のaudio wednesdayでいっしょに聴いていたHさんも、
この日のカラスの「カルメン」の鳴り方はよかった、と感じられていたようだった。
Hさんは、ULTRA DACでのマリア・カラスも聴かれている。
まだまだだ、と思うところはけっこうある。
それでもULTRA DACと218の価格、
2,500,000円と125,000円、
ULTRA DACは218の二十台分である。
これだけの違いがあるのだから、
ULTRA DACでは通常のCD、218ではMQA Studioというハンディキャップをつけている。
それでも……、というところがあるのも事実だ。
けれど、別の意味で、それでも! といいたくなる音が、この日は聴けた。
218といっても、手を加えた218なのだから、
その自慢をしたいのではなく、ここでいいたいのは、
何もしないで、ただひたすら鳴らして聴くことの重要さである。
ひどい音が鳴ってきたからといって、
それをその場しのぎでごまかすようなことをしていたら、
もしくは、そのひどい音でなんとか聴けるようなソースばかりを鳴らしていたら、
この日のように、短時間での大きな変化は無理であろう。
とはいっても、いいかげんなセッティングではダメである。
きちんとしたセッティングがなされていれば、
鳴らすことの大切さがわかるはずである。
何かをすることだけが使いこなしではない。