ベートーヴェン(交響曲第三番・その3)
先週、二日ほどアバドとシカゴ交響楽団によるベルリオーズの幻想交響曲を、
それこそくり返し聴いていた。
モバイルバッテリーでいろいろ試すためのディスクとして、
このディスクを選んだからである。
アバドの幻想は、ステレオサウンドで、当時試聴ディスクだったから、
試聴室ではCDでよく聴いていたし、
自宅ではLPで、飽きずに聴いていたものだ。
幻想交響曲に、特に思い入れはないから、
くり返し聴くのがわかっていたからの選曲である。
とはいっても、アバドの幻想交響曲を聴くのは、そのころ以来である。
三十年は優に経っている。
それだけの長いあいだ聴いていなくても、
第一楽章が鳴ってくると、おもしろいもので、そうだった、と思い出す。
試聴でよく聴いていたのは、いうまでもなく第四楽章であり、
第五楽章もけっこう聴いていた。
第一楽章から最後まで通して聴いたのは、数えるくらいしかない。
アバドの幻想を愛聴盤としている人からすれば、ひどい聴き方と誹られよう。
そんな聴き方ではあったが、
モバイルバッテリーのあれこれを試したあとは、通しで聴いた。
聴き終って、
アバドとウィーンフィルハーモニーとによるベートーヴェンの三番を無性に聴きたくなった。