音を聴くということ(グルジェフの言葉・その8)
入魂の音、
それも全神経を傾注したの結果による音ではなく、
魂のこめられた音という意味での、入魂の音というのはあるのだろうか。
ありますよ、といってくる人がいる。
入魂の意味を説明したうえでも、ありますよ、といってくる人がいる。
音に魂が込められるのか──、
そのことを問いたいのではない。
その前の段階のことを問いたい。
音に魂を込める。
その魂は、どこから持ってくるのか。
そう問えば、自分の中からだ、という答が返ってくるはずだ。
人は生きているから、どこかに魂はあるといえる。
けれど、問いたいのは、あなたの魂は目覚めているのか、だ。
睡ったままの魂を、どうやって音に込めるのか。
なぜオーディオをやってきたのか。
ここまで情熱を注いできたのか。
結局、自分の魂を目覚めさせよう、としてきたのだと、
ここにきておもうようになった。