録音は未来/recoding = studio product(「コンサートは死んだ」のか・その1)
コンサート・ドロップアウトを宣言し、
「コンサートは死んだ」と語ったグレン・グールド。
グールドの死後、コンサートは廃れるどころか、その真逆である。
グールドの予言は外れた、ともいえる。
コンサート(ライヴ会場)には行くけれど、
レコード(録音メディア)はあまり購入しない、という人が増えている、ときく。
人気のある歌手の、近年のコンサートの様子は、大型テーマパークのようでもある。
このままますます肥大化していくようにも思えた。
そこに新型コロナである。
音楽コンサートだけでなく、大型イベントが中止もしくは延期になっている。
私が好きな自転車レースも、そうとうに影響を受けている。
不謹慎といわれるだろうが、グールドの予言が現実のものになりつつある。
とはいえグールドの予言そのままというわけではない。
電子メディアの発達によってコンサートが廃れていっているわけではない。
新型コロナが今後どうなっていくのか、私にはわからない。
早くに収束していくのかもしれないし、ずっと長引くのかもしれない。
そのため、ある試みがなされている。
無観客で演奏会、
その様子をストリーミング中継する。
これこそ電子メディアの発達による音楽鑑賞のひとつである。
そうなると、クラシックの演奏会では、基本的に無縁の存在であるマイクロフォンが、
ステージの上に立つことになる。