プレシジョン・フィデリティのC4は一度、個人宅で聴いている。
聴いている、といっても、ほかのコントロールアンプと比較したわけではなくて、
あくまでも、その方の音を聴いた(聴かせてもらった)ということなのだから、
C4の音がどうだった、ということは何もいえない。
その後、C7aは聴く機会があった。
C7aはC4の廉価版といえるコントロールアンプ、というよりも、
ボリュウムつきフォノイコライザーアンプである。
ようするにC4のラインアンプを省いた構成がC7aであり、
フォノイコライザーの回路構成はC4とほぼ同じであり、
真空管アンプの回路としてはめずらしくカスコード接続を採用している。
C4の存在があったため、C7aには期待していた。
けれど、その期待に応えてくれた、とはいえなかった。
C4と比べても未完成という印象がつよい造りだったし、
ましてマランツのModel 7を基準にしてみれば、実験機? という印象すらわく。
実のところ、C4の実力はどれほどだったのだろうか。
高かったはず、といまでも思っている。
アメリカのオーディオメーカーは、日本に輸入されなくなってずいぶん経っていて、
ウワサも聞こえなくなってくると、解散した、倒産したものとつい考えがちだが、
意外にも活動を続けているブランドがあったりする。
プレシジョン・フィデリティはどうなのか、と検索してみると、
さすがに解散していたようだった。
けれどC4を高く評価している国があることを知った。
韓国である。
KTS Audioというブランドが、
C4をベースにWaltzという型番のコントロールアンプを出している。
WaltzもC4同様、洗練されたパネルフェイスではない。
C4とWaltz、どちらのパネルフェイスが好きかといえば、
愛矯が感じられるC4の方である。
Waltzは、なんとなく以前のエアータイトのコントロールアンプをどこか思わせる。
そこが個人的気になっていて、好きになれない。
とはいえ、内部の写真をみると、C4とは、いい意味で別物といえる。