SAE Mark 2500がやって来る(コントロールアンプのこと・その8)
プレシジョン・フィデリティのC4は一度、個人宅で聴いている。
聴いている、といっても、ほかのコントロールアンプと比較したわけではなくて、
あくまでも、その方の音を聴いた(聴かせてもらった)ということなのだから、
C4の音がどうだった、ということは何もいえない。
その後、C7aは聴く機会があった。
C7aはC4の廉価版といえるコントロールアンプ、というよりも、
ボリュウムつきフォノイコライザーアンプである。
ようするにC4のラインアンプを省いた構成がC7aであり、
フォノイコライザーの回路構成はC4とほぼ同じであり、
真空管アンプの回路としてはめずらしくカスコード接続を採用している。
C4の存在があったため、C7aには期待していた。
けれど、その期待に応えてくれた、とはいえなかった。
C4と比べても未完成という印象がつよい造りだったし、
ましてマランツのModel 7を基準にしてみれば、実験機? という印象すらわく。
実のところ、C4の実力はどれほどだったのだろうか。
高かったはず、といまでも思っている。
アメリカのオーディオメーカーは、日本に輸入されなくなってずいぶん経っていて、
ウワサも聞こえなくなってくると、解散した、倒産したものとつい考えがちだが、
意外にも活動を続けているブランドがあったりする。
プレシジョン・フィデリティはどうなのか、と検索してみると、
さすがに解散していたようだった。
けれどC4を高く評価している国があることを知った。
韓国である。
KTS Audioというブランドが、
C4をベースにWaltzという型番のコントロールアンプを出している。
WaltzもC4同様、洗練されたパネルフェイスではない。
C4とWaltz、どちらのパネルフェイスが好きかといえば、
愛矯が感じられるC4の方である。
Waltzは、なんとなく以前のエアータイトのコントロールアンプをどこか思わせる。
そこが個人的気になっていて、好きになれない。
とはいえ、内部の写真をみると、C4とは、いい意味で別物といえる。