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Date: 11月 10th, 2021
Cate: 1年の終りに……

2021年をふりかえって(その4)

昨日(11月9日)、別項に書いているように川崎先生の講演に行ってきた。
金曜日に講演があることを知って、土曜日にメガネを新調しに行った。

川崎先生の講演に行ったことのある人ならばわかっていることなのだが、
川崎先生デザインのメガネの装着率はひじょうに高い。

それに二年ぶりの川崎先生の講演である。
ならばメガネを新たにつくろうと思った。

今年の春に、川崎先生デザインのACTシリーズが発表になり、販売されている。

ACT-OneからACT-Fiveまで五つのフレームが発表になった。
さらに五つが加わって、ラインナップはACT-Tenまである。

最初のラインナップを見た時から決めていた。
これだ、と思うフレームがあった。

そうなると似合う似合わないはどうでもいい、となってしまう。
そのくらい欲しかったのだが、懐事情から我慢していた。

欲しいと思い続けて半年も我慢していると、
このつまずるずると買わずに──、ということになってしまいがち。

川崎先生の講演が、だからきっかけだった。
「つくろう」と思って土曜日に出掛けて行った。

月曜日は仕上がる、ということで火曜日に間に合う。
なので11月8日から新しいメガネにしている。

Date: 11月 10th, 2021
Cate: 新製品

新製品(マッキントッシュ MC3500・その2)

マッキントッシュはここ十年くらいか、
往時の管球式アンプの復刻を積極的に行っている。

C22とMC275が、その最初だった。
好評なのだろう。
何度も行っているし、MC275のスタイルを他の製品にまで広げている。

そこに、今回のMC3500 Mk IIである。

MC3500とMC3500 Mk II、違う点はいくつもあるが、
私がいちばん違うと感じているのは、冷却ファンの有無である。

オリジナルのMC3500には冷却ファンがリアパネルに取り付けられていた。
ブロックダイアグラムが印刷された天板が特徴であり、
MC3500をソリッドステート化したMC2300にも、これは受け継がれている。

ちなみにMC2300の後継機MC2500の初期のモデルには、
天板にブロックダイアグラムがなくなっていた。

そのことを残念がる声が日本ではあった。
しばらくするとMC2500でも、ブロックダイアグラムが復活した。

日本からの要望にマッキントッシュが応えたようなふうにみえるが、
事情通の人によると、初期のMC2500の天板にブロックダイアグラムがないのは、
単純にミスだった、とのこと。

オリジナルのMC3500は業務用アンプである。
だからこそMC275とは全面的に異る筐体構造を採用している。

真空管を物理的な破損から守るために、六面すべてパネルで蔽われている。
MC275のスタイルだと、上から何かモノが落ちてきたら、真空管が破損しやすい。
MC3500ではそういうことへの配慮がなされている。

けれど今回のMC3500 Mk IIは家庭用のアンプである。
真空管の上部と両サイドにはパネルはなく、金属のメッシュである。
なので冷却ファンはない。

Date: 11月 10th, 2021
Cate: 新製品

新製品(マッキントッシュ MC3500・その1)

マッキントッシュからMC3500が新製品として発表されている。

MC3500とは1968年に登場したモノーラルの管球式パワーアンプで、
出力は350Wという、当時としては最大パワーだったし、
パネルフェイスからもMC275やMC240といったラインナップではなく、
業務用として誕生した製品でもあった。

MC3500は1971年まで製造されていたから、
製造中止から50年後の2021年に、再び登場することになる。

マッキントッシュのサイトのMC3500のページの本文には、
MC3500 Mk IIと表記されているが、
新製品MC3500の写真をみる限りは、フロントパネルにもリアにも、
表記はMC3500となっている。
なので便宜上、新製品のMCC3500は、MC3500 Mk IIとする。

MC3500 Mk IIの出力は、オリジナルのMC3500と同じ350Wである。
外観は今風のアピアランスになっている。
とはいうものの、MC3500の型番ということを知らなくても、
MC3500を知っている人ならば、MC3500の新型か、と思うであろう。

私がMC3500というアンプがあったことを知ったのは、「五味オーディオ教室」だ。
     *
 ところで、何年かまえ、そのマッキントッシュから、片チャンネルの出力三五〇ワットという、ばけ物みたいな真空管式メインアンプ〝MC三五〇〇〟が発売された。重さ六十キロ(ステレオにして百二十キロ──優に私の体重の二倍ある)、値段が邦貨で当時百五十六万円、アンプが加熱するため放熱用の小さな扇風機がついているが、周波数特性はなんと一ヘルツ(十ヘルツではない)から七万ヘルツまでプラス〇、マイナス三dB。三五〇ワットの出力時で、二十から二万ヘルツまでマイナス〇・五dB。SN比が、マイナス九五dBである。わが家で耳を聾する大きさで鳴らしても、VUメーターはピクリともしなかった。まず家庭で聴く限り、測定器なみの無歪のアンプといっていいように思う。
 すすめる人があって、これを私は聴いてみたのである。SN比がマイナス九五dB、七万ヘルツまで高音がのびるなら、悪いわけがないとシロウト考えで期待するのは当然だろう。当時、百五十万円の失費は私にはたいへんな負担だったが、よい音で鳴るなら仕方がない。
 さて、期待して私は聴いた。聴いているうち、腹が立ってきた。でかいアンプで鳴らせば音がよくなるだろうと欲張った自分の助平根性にである。
 理論的には、出力の大きいアンプを小出力で駆動するほど、音に無理がなく、歪も少ないことは私だって知っている。だが、音というのは、理屈通りに鳴ってくれないこともまた、私は知っていたはずなのである。ちょうどマスター・テープのハイやロウをいじらずカッティングしたほうが、音がのびのび鳴ると思い込んだ欲張り方と、同じあやまちを私はしていることに気がついた。
 MC三五〇〇は、たしかに、たっぷりと鳴る。音のすみずみまで容赦なく音を響かせている、そんな感じである。絵で言えば、簇生する花の、花弁の一つひとつを、くっきり描いている。もとのMC二七五は、必要な一つ二つは輪郭を鮮明に描くが、簇生する花は、簇生の美しさを出すためにぼかしてある、そんな具合だ。
     *
そのころは写真も見たことがなかった。
どんなアンプなんだろう、と想像するしかなかった。

Date: 11月 9th, 2021
Cate: ハイエンドオーディオ

FMアコースティックス讚(その3)

FMアコースティックスのアンプを聴く機会は、そう簡単には訪れなかった。
それに、そのころはさほど熱心に聴いてみたい、と思っていたわけでもなかった。

それでもウワサは耳に入ってくる。
けっこういい音みたい、とか、かなりいい、とか。
そんなことがぽつぽつと入ってくるようになった。

と同時にFMアコースティックスの価格も値上りするようになっていった。
これにもウワサがついてきた。

創立者の娘が結婚するから値上げ、とか、
クルーザーを買ったから値上げ、とか。
常識的に、そんなことあるはずがない。

私も最初はそう受けとって笑いながらきいていたけれど、
どうも本当のようだ、という話も聞く。

本当なのかどうかは、わからない。
こんなウワサが流れてきて、実際に価格が高くなる。

それでも買う人がいるわけで、
これまで何度の値上げがなされてきたのか、数えたことはないし、数える気もない。

いえるのは、値下りすることは、まずない、ということと、
これから先もまた値上りする、ということ。
そして、それでも買う人がいる、ということだ。

Date: 11月 9th, 2021
Cate: ディスク/ブック

Mahler: Lieder eines fahrenden Gesellen(その1)

マーラーの「さすらう若人の歌」。

1980年代後半のレコード芸術での「名曲名盤300」で、
このマーラーの「さすらう若人の歌」は、
フィッシャー=ディスカウとフルトヴェングラーのアルバムが、
ダントツの一位だったことをはっきりと憶えている。

二位、三位のアルバムもフィッシャー=ディスカウで、
二位はクーベリックの指揮で、三位はフルトヴェングラーだがライヴ録音である。

手元に本がないので確認のしようがないが、
選者全員が、一位のディスクを選んでいた。

しかも黒田先生は、フィッシャー=ディスカウとフルトヴェングラーのアルバムだけを選ばれていた。

一生に一度しか歌えない歌が、いかなる名歌手にもあるようだ──、
そんなことを書かれていた。

フィッシャー=ディスカウほどの名歌手でも、一生に一度の歌唱はあるのだろう。

この「さすらう若人の歌」も、MQA Studio(192kHz、24ビット)で、
e-onkyoで購入できる。

TIDALでも、MQA Studioで聴ける。

Date: 11月 8th, 2021
Cate: 1年の終りに……

2021年をふりかえって(その3)

2020年が、五味先生没後40年、
2021年の今年が、瀬川先生没後40年。

2020年には、タンノイのコーネッタを、ヤフオク!で手に入れた。
ステレオサウンドがキット販売したのを、誰かが組み立てたモノではなく、
別項で書いているように、はっきりと専門とする職人の手によるコーネッタである。

今年になって、そのことがわかり、いい買物をしたな、と実感している。

2021年には、SAEのMark 2500を手にいれた。
これもヤフオク!であり、ヤフオク!の相場よりも半分以下で落札できた。
こちらも程度はいい。

五味先生の没後40年の2020年にタンノイ、
瀬川先生の没後40年の2021年にMark 2500である。

不思議な縁が二年続いた。

こういうオーディオ機器の手に入れ方は、若い人にはすすめない。
歳をとっていくと、向うの方からやって来た──、
そんなふうに錯覚することがある。

Date: 11月 7th, 2021
Cate: ディスク/ブック

サンソン・フランソワのショパン

昨年11月のaudio wednesdayで、サンソン・フランソワのショパンをかけた。
そのことがあって、今年は例年になくショパンを聴いている。

といっても、それまであまり聴いてこなかったショパンだから、
それまでよりも聴いている、というぐらいで、そんなに多く、というわけではない。

20代のころ、ショパンを聴くとお尻のあたりがムズムズしてしまうことが多かった。
つまり嫌いな作曲家なのではなく、苦手な作曲家だった。
それが消えていったのは、40ぐらいのころ。

なのでショパンは、40すぎてから、少しずつ聴くようになっていったが、
ショパンのCDを積極的に買うようになったとは言い難かった。

それまで購入していたCDで、
ショパンの曲がおさめられているディスクを聴くようになった、といったほうがいい。
新しいショパンの録音を聴くようになったのは、TIDALを使うようになってからだ。

かなりの数のショパンのアルバムがTIDALで聴ける。
比較試聴もすぐにできる。

クラシックを聴くようになって四十年以上経って、
これまでになくショパンを聴いていた。

そんな一年を過ごして、サンソン・フランソワのショパンに惹かれる。

Date: 11月 7th, 2021
Cate: ハイエンドオーディオ

FMアコースティックス讚(その2)

FMアコースティックのFM600A、FM800Aと同時代、同価格帯のパワーアンプは、
マランツのP501M(565,000円)、GASのAMPZiLLA II(598,000円)、
スレッショルドの400A custom(598,000円)、マッキントッシュのMC2205(678,000円)、
フェイズリニアのD500SII(598,000円)、ラックスのM6000(650,000円)、
ルボックスのA740(538,000円)、スチューダーのA68(480,000円)などがあった。

この上の価格になるとSAEのMark 2600(755,000円)、
マッキントッシュのMC2300(858,000円)、テクニクスのSE-A1(1,000,000円)、
マークレビンソンのML2(1,600,000円)などもあった。

1978年当時のFMアコースティックのパワーアンプは、特に高かったわけでもない。

FMアコースティックの名前は、
47号以降、しばらくステレオサウンドにの誌面には登場しない。

私がFMアコースティックの名前を思い出したのは、ほぼ十年後である。
JDFのパワーアンプをレイオーディオが取り扱うようになって、
そういえばフランスとスイスの違いはあるけれど、
以前、FMアコースティックというメーカーがあったなぁ、と思い出したくらいである。

あったなぁ、と過去形で書いてしまったけれど、
47号の記事で読んだだけで、実物をみたこともなかったし、
私のなかでは、すでに消えてしまっているに近い状態だったからだ。

おもしろいもので、JDFによって思い出してしばらくしたころから、
FMアコースティックの名前を、また聞くようになる。

とはいっても、FMアコースティックが、日本にふたたび入ってくるようになったころには、
私はステレオサウンドから離れていたので、
ステレオサウンドの試聴室で聴いたわけではない。

Date: 11月 7th, 2021
Cate: 試聴/試聴曲/試聴ディスク

試聴ディスクとオーディオショウ

インターナショナルオーディオショウは無事開催されたようだ。

インターナショナルオーディオショウにかぎったことではなく、
オーディオショウのすべてに、以前から思っていることがある。

各ブースそれぞれが、思い思いのディスクをかける。
それはいいことである。

でもそれだけでなく、
すべてのブースで共通してかける一枚か二枚のディスクがあっていいはずだ。

長い曲でなくていい、短い曲でいい。
同じディスクが、すべてのブースで鳴っていることを想像してみてほしい。

それも一つのオーディオショウだけで共通なのではなく、
たとえばOTOTENとインターナショナルオーディオショウの両方で共通であれば、
もっといい。

一枚か二枚か。
一日のうちに数回かけてくれればいい。
できればイベントスケジュールに、
それぞれのブースが何時ごろに鳴らすのか、記載してあればもっといい。

Date: 11月 6th, 2021
Cate: 1年の終りに……

2016年をふりかえって(その9)

2021年の間違いではない。
2016年をふりかえって、である。

今年の7月14日に、「2016年をふりかえって(その8)」を書いている。

五年前の2016年11月6日に、東京デザインウィークで火災が起った。
遺族と東京デザインウィークとの裁判は、まだ続いている、らしい。

11月7日が瀬川先生の命日、
その前日ということもあって、11月6日になるとおもいだす。

Date: 11月 5th, 2021
Cate: 「かたち」

音の姿勢、音の姿静(その2)

「静寂」を、オーディオ関係の記事や広告で、
わりと頻繁にみかけるようになってきたと感じている。

「静寂」をキャッチコピー的に使っている会社や人が、
くり返し使っているから、そう感じているだけなのかもしれないが、
静寂の実現はいいことである。

なので、「静寂」を使っているところ、人に対してあれこれいうつもりはない。
ただ静寂と沈黙は違う──、
ただそう感じているだけである。

Date: 11月 5th, 2021
Cate: ハイエンドオーディオ

FMアコースティックス讚(その1)

FMアコースティックがステレオサウンドの誌面に初めて登場したのは、
1978年夏発売の47号の新製品紹介のページである。
井上先生と山中先生の二人で担当されていた時代である。

輸入元はシュリロトレーディングで、
パワーアンプが二機種、FM600A(500,00円)とFM800A(680,000円)である。

出力はFM600Aが150W+150W、FM800Aが30W+300Wで、
入力端子はXLR端子のみで、RCAによるアンバランス入力はないことからわかるように、
プロフェッショナル用のパワーアンプである。

山中先生は、
《一見アメリカのプロ用アンプとそっくりなコンストラクションで、ヨーロッパ製らしからぬふんいきである》
と書かれている。

モノクロの、それほど大きくなく不鮮明な写真でも、
アメリカ的なプロ用アンプという雰囲気は伝わってきていた。

スイスというイメージは、写真からはまったく感じられなかった。

音はどうか、というと、山中先生はこう評価されていた。
《きわめて充実感のある中域量感たっぷりな低音部はこのアンプ特有のキャラクターで、ユニークなアンプの出現といえよう》
高い評価といえばそうも読めるけれど、
47号の当時、私は高校生、スイス製なのに、アメリカ製のような武骨なパワーアンプを、
特に聴きたいとは思わなかった。

それに47号の特集はベストバイで、FMアコースティックのアンプは登場していない。
新製品だから──が、理由ではないはずだ。

47号の新製品紹介のページに登場していた他社製のアンプは、
いくつかベストバイに選ばれているのだから。

ちなみにFMアコースティックとしているのは、47号の表記はそうなっているからだ。

Date: 11月 5th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その31)

今年は行かないので、ショウ雑感の昨晩ので、今年は終り、と思っていた。
でも、ひとつ気になっていることがあって、また書いている。

今日(11月5日)は、ABBAの「Voyage」の発売日である。
e-onkyoでは、午前0時にflacとMQAで購入できるようになっていた
どちらも96kHz、24ビットだ。

おそらく日本がもっとも早くMQAで聴くことができた国のはずだ。
TIDALでもMQAで聴ける。

TIDALの配信開始が何時ごろだったのかはつかめていないが、
夕方には始まっていた。

何が書きたいかというと、どこのブースで「Voyage」が鳴っていたのかどうか、である。
どこのブースでもかかっていなかった──、そんなことはないように思っているが、
どうだったのだろうか。

Date: 11月 4th, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その30)

9月23日の(その27)で、
今年のインターナショナルオーディオショウにアクシスが出展しない、と書いた。
この時点では、アクシスからの発表は何もなかった。

コロナ禍の影響による出展辞退なのだろう、とは想像できたものの、
アクシスからの発表は10月6日に、ウェブサイトにおいて、である。

やはりコロナ禍のせいである。

昨晩、アクシスのサイトを見て、このことを知ったのだが、
予想していたことなのだから、これだけでは書くつもりはなかった。

アクシスのトップページのWhat’s Newのところに、
インターナショナルオーディオショウの出展辞退だけでなく、
いくつかのことが並んでいる。

そこに、FMアコースティックス/価格改定のご案内があった。
FMアコースティックスの価格が上るのは、
恒例であるから、またなのか、ぐらいの受け止めなのだが、
それにしても大変な価格になってしまっている。

FMアコースティックスの音は絶賛するものの、
それでは欲しいのか(つまり買えるのか)ということになると、
私にとっては、ため息も出ない価格になってしまっている。

改定前の価格も、正確には憶えていない。
なのでどの程度の値上げなのかはわからないけれど、とにかく高価なアンプが、
さらに高価なアンプになってしまっている。

そのことをとやかくいう気はない。
FMアコースティックスなのだから仕方ない──、そう受け止めるしかないのだから。

だからこそインターナショナルオーディオショウで、
FMアコースティックスで鳴らすファインオーディオの音は、聴きたいと思うわけで、
アクシスが出展しない今年は、早々と行かないという選択をしていたのは、
まちがってなかったなぁ、と個人的には思っている。

来年のインターナショナルオーディオショウでは、きっと聴けることだろう。

Date: 11月 3rd, 2021
Cate: ショウ雑感

2021年ショウ雑感(その29)

終息というわけではないだろうが、感染者数は激減しているのだから、
インターナショナルオーディオショウの関係者は、一安心だろう。

行く予定の人たちも、そうだろう。

だからといって完全に安心できるようになったわけではないので、
それぞれの注意が求められていることは、これまで通りなのだが、
会場内の雰囲気は、感染者数がさほど減っていないのと、
ここまで減ったのでは大きく違ってくるはずだ。

少しでも明るい雰囲気のなかで、オーディオショウが開催されるのはいいことだ。
とはいえ、各ブースのイベントのスケジュールを眺めていると、
オーディオ評論家の名前が少ないことが目立つ。

終息していない状況だから、例年通りの各ブースのスケジュールとは予想していなかったけれど、
ここまでオーディオ評論家が担当する時間が減っているとは思わなかった。

ここ数年、少しずつ減っていく傾向があった。
それまではオーディオ評論家に依頼していた出展社が、
すべて自社のスタッフによる音出しを行うところが出てきた。

それが今年は顕著であるが、今年だけのことで終るのか。
それとも来年以降も、この傾向は維持されるのか。

とにかくコロナ禍は出展社にとって、
オーディオショウに対する捉え方を変えるきっかけになっているように感じている。