新製品(マッキントッシュ MC3500・その2)
マッキントッシュはここ十年くらいか、
往時の管球式アンプの復刻を積極的に行っている。
C22とMC275が、その最初だった。
好評なのだろう。
何度も行っているし、MC275のスタイルを他の製品にまで広げている。
そこに、今回のMC3500 Mk IIである。
MC3500とMC3500 Mk II、違う点はいくつもあるが、
私がいちばん違うと感じているのは、冷却ファンの有無である。
オリジナルのMC3500には冷却ファンがリアパネルに取り付けられていた。
ブロックダイアグラムが印刷された天板が特徴であり、
MC3500をソリッドステート化したMC2300にも、これは受け継がれている。
ちなみにMC2300の後継機MC2500の初期のモデルには、
天板にブロックダイアグラムがなくなっていた。
そのことを残念がる声が日本ではあった。
しばらくするとMC2500でも、ブロックダイアグラムが復活した。
日本からの要望にマッキントッシュが応えたようなふうにみえるが、
事情通の人によると、初期のMC2500の天板にブロックダイアグラムがないのは、
単純にミスだった、とのこと。
オリジナルのMC3500は業務用アンプである。
だからこそMC275とは全面的に異る筐体構造を採用している。
真空管を物理的な破損から守るために、六面すべてパネルで蔽われている。
MC275のスタイルだと、上から何かモノが落ちてきたら、真空管が破損しやすい。
MC3500ではそういうことへの配慮がなされている。
けれど今回のMC3500 Mk IIは家庭用のアンプである。
真空管の上部と両サイドにはパネルはなく、金属のメッシュである。
なので冷却ファンはない。