Archive for category High Resolution

Date: 8月 22nd, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、グレン・グールドのこと(その4)

昨晩、寝る前にTIDALでグールドの平均律クラヴィーア曲集を聴いた。
十分ほど聴いたら寝るつもりだった。

MQAで聴けるグールドのすべてを聴いているわけではない。
それでも平均律クラヴィーア曲集は、MQAの良さがよくいきている。
聴いていたら、第一集を聴き終えた。

途中でストップすることができなかった。

グールドの平均律クラヴィーア曲集はSACDも持っている。
MQAとSACDとでは、再生環境が少し違う。

メリディアンの218はDSDに対応していないからだ。
なのでSACDプレーヤーとの比較になる。

そういうことだから、きちんと再生環境を整えていったら、
MQAとSACD、どちらがいいのかはまだなんともいえないが、
少なくとも私の再生環境の現状では、MQAでの音に、
グールドの平均律クラヴィーア曲集を聴く新鮮さを、ふたたび味わっている。

Date: 8月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、グレン・グールドのこと(その3)

TIDALにおけるグレン・グールドのアルバムは、
ほとんどMQAで聴けるようになった。

今日、モーツァルトのピアノ・ソナタもMQAになった。
モーツァルトのピアノ協奏曲はわりは早くにMQAになっていたから、
ピアノ・ソナタも、と期待していたけれど、なかなかならずにやっとである。

グールドがMQAで聴けるようになっただけでも嬉しいのは本音なのだが、
ソニー・ミュージック、ソニー・クラシカルの他のアルバムのMQA化をみていると、
グールドは44.1kHzのみなのか──、と思ってしまうのも本音である。

ソニー・クラシカルは、グールドの全集ボックスを出した際に、
DSDでマスタリングをしている。
ならば、44.1kHzでなく、88.2kHzで出してくれてもいいじゃないか、と思う。

それでもMQAでグールドを聴いていると、グールドのハミングが、
人の声らしく聴こえてくるのが、自然でいい。

Date: 8月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(余談・その2)

先ほど、TIDALのサイトが日本語になっている、という投稿がfacebookにあった。
アクセスすると、日本語になっている。

しかも投稿にあったように、機械翻訳ではないように感じられる。

今年の3月に“Local Editor, Japan TIDAL”というページが、
TIDALのウェブサイトに出来ていることに触れた。

今回のことに、このことが関係しているのか。
今日の時点では、何もはっきりしたことはわからないのだが、
動きがあることだけは確かなのだろう。

Date: 8月 16th, 2021
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その6)

ほぼ毎日のようにTIDALについて書いていると、
ふとした拍子に六本木にあったWAVEのことをおもいだす。

WAVEが出来た当時、WAVEが東京で最大規模のレコード店だったはずだ。

規模の大きさでいえば、その後出来た渋谷のタワーレコードのほうが大きいだろう。
ここでのタワーレコードは、東急ハンズの近くに出来た最初のタワーレコードではなく、
現在もあるタワーレコードの店舗のことである。

WAVEが成功してから、1990年ごろから東京には大型店がいくつもできた。
新宿にはヴァージンメガストアが、渋谷にはHMVができた。
WAVEの池袋店も出来た。

新しいレコード店が出来れば、やっぱり行ってみたくなる。
何度か足を運んでも、
六本木のWAVEのようなワクワク感は、私にはないように感じた。

渋谷のタワーレコードも、いまではクラシック、ジャズ売場ともに縮小しているが、
できた当時は、売っているディスクの点数の多さに、すごいと思った。

でもすごいと思うこととワクワク感をおぼえることは別である。
WAVEには、なぜ、あれほどワクワクしたのだろうか。

いまTIDALにワクワクを感じているから、よけいにどうしてなのだろうか、と思う。

Date: 8月 15th, 2021
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その5)

TIDALという巨大すぎる書店(図書館)を、どう歩きまわるのか。

TIDALは日本でサービスを開始していないこともあって、
日本語での検索はほとんど結果として得られない。

日本語での検索は可能である。
ごく一部だけヒットするが、ほとんどはアルファベットでの入力である。

クラシックの何人かの演奏家は、それでも問題なく入力できるが、
正しいスペルはどうだっけ? とまず、ここから検索することから始まる。

ようするにGoogleで日本語(カタカナ)で、演奏家名を検索する。
それでアルファベット表記を調べて、TIDALで検索するわけだが、
Googleはおせっかいだから、
検索結果として、他の人はこちらも検索、というのを表示してくれる。

ここに関連する演奏家の写真と名前が複数出てくる。
なので、次はこのなかから選んでクリック。
アルファベット表記の名前をコピーして、TIDALにうつる。

Googleで新しい演奏家をクリックすれば、また、他の人はこちらも検索、がまた表示される。
これを何度もくり返しながら、TIDALを歩きまわる(検索していく)。

クラシックの演奏家でも、新しい人だと知らない人がけっこういる。
古い人で知らない演奏家はほとんどいないけれど、
それでも存在を忘れてしまっている人はけっこういるわけで、
そうだそうだ、この人がいた、ということになる。

これがジャズ、ポップスとなると、けっこう知らない人のほうが多いから、
こういうひとがいる(いた)のかと、けっこう新鮮である。

Date: 8月 10th, 2021
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その4)

ステレオサウンドで働いているときに、六本木にWAVEが出来た。
それまではレコードを買うといえば、銀座だった。

頻繁に行ってのはコリドー街にあったハルモニア。
それから日本楽器、山野楽器にも寄っていた。

それがWAVEが出来てからというもの、最低でも週に二回は行っては、
なんらかのディスクを買って帰っていた。

CDが登場したことも重なって、通う頻度は増すばかりだった。
行けば、なんらかの新しいディスクと出逢えた。

あのころ、こんなに楽しい場所は他になかった。
いま、私にとってTIDALがそれに近い。

8月になって、MQAのタイトルが増えている。
何度も書いてるように、ソニーが本格参入したからだ。

お気に入りの演奏家のところをチェックする。
昨日までMQAになっていなかったアルバムが、今日はMQAになっていたりするからだ。

(その3)の終りに、ウーゴ・ディアスもMQAで聴ける日がそう遠くないのでは、と書いた。
その通りだった。

今日、ほとんと期待せずにウーゴ・ディアスのところを見たら、
一枚だけではあったが、MQAになっていた。

ソニーの本気度に感謝するばかりだ。
そして、あのころのWAVEに毎日のように通っていた気分を、三十数年ぶりに味わっている。

Date: 8月 8th, 2021
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その3)

TIDALという書店は、8月に入ってからますます特別な存在の書店になった。
別項で書いているように、ソニー・ミュージック、ソニー・クラシカルのMQAでの提供。
日ごとに、アルバムは増えていっている。

カルロス・クライバーのニューイヤーコンサートも、
今日見たら、1989年のものがMQAになっていた。
数日前は、まだなってなかった。
おそらく1992年のニューイヤーコンサートも、近日中になるであろう。

クラシックだけでなく、ジャズ、ポップスもMQAで盛り上っている──、
そういいたくなるほどソニーが本気になっている。

いままでソニーはハードウェアだけでのMQA対応なのか、とずっと思っていた。
それがやっと始まった。
細々と、ではなく、本気のようである。

とはいっても、これは海外の演奏家に関してだけなのだろう、と今日まで思っていた。
今日、もしかすると、という期待をこめて、大滝詠一を検索してみた。

「DEBUT AGAIN」一枚だけだが、MQAで聴けるようになっている。

それでは、他のソニー・ミュージックの日本人歌手は? と思って、
私が真っ先に思い浮べたのは山口百恵だったけれど、残念ながらなかった。

その次に思い出した松田聖子。
松田聖子のアルバムがTIDALで聴けるのは知っていた。

ユニバーサルミュージックのアルバムはMQAなのだが、
ソニー・ミュージックのアルバムはそうではなかった。

それも変ってきている。
ソニー・ミュージック時代のアルバムもMQAに聴けるようになりつつある。

TIDALも強豪相手が増えて、苦境にたたされている──、
といったニュースを見たのは昨年だったか。
今回のことはTIDALの巻き返しなのかもしれない。

ここまで来たら、ウーゴ・ディアスもMQAで聴ける日がそう遠くないかもしれない。

Date: 8月 7th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、グレン・グールドのこと(その2)

三日前に、グレン・グールドがMQAで聴けるようになった、と書いた。
その時点では、アルバム数はそれほどではなかった。
でもすべてがMQAで聴けるようになるには、かなりの時間がかかるのだろうな、と思っていた。

けれど今日、TIDALをみてみたら、かなりのアルバムがMQAで聴けるようになっている。
嬉しいことに、ハイドンもMQAで聴けるようになっていた。

44.1kHzの初期のデジタル録音であるハイドンも、
MQAで聴けることは、MQAの本質を理解している人ならば大歓迎のはずだ。

グールドだけでなく、ソニー・クラシカル、ソニー・ミュージックは、
急にMQAに積極的になっている。

ほかの演奏家のアルバムも、MQAでの数が増えている。

この方針転換の裏には何があったのだろうか。
何があったのかはどうでもいいことで、これはいまのところTIDALのみの強みである。

グールドの残りのアルバムも、そう遠くないうちにMQAで聴けるようになるだろう。

Date: 8月 4th, 2021
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その2)

三ヵ月ほど前に、感覚的にTIDALはレコード店というよりも、
大型の書店、もしくは大規模な図書館だ、と書いた。

だから、なぜ、この大型の書店に入店しないのか。
そう言いたくなることがある。

音楽が好きで、MQAの音の良さを認めている人ならば、
なぜ? と問いつめたくなる。

いまやインターネットの回線速度は、TIDALを利用するのに十分なはずだ──、
そう思い込んでいた。

ところが、どうもそうでない状況がある、と聞いた。
マンションによっては、かなり回線速度が遅いところ(時間帯)がある、らしい。

それも私が想像していた遅さよりも、さらに遅いようで、
クォリティの高いストリーミングを利用するには無理があるようなのだ。

しかも、その状況を改善するには個人ではまず無理である。
大がかりなことになる場合もあるから、いますぐに、ということにならない。

東京においても(むしろ東京だからなのか)、そういうところがあるらしい。

Date: 8月 4th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、グレン・グールドのこと(その1)

二週間ほど前に、イル・ディーヴォのアルバムが、
TIDALでMQAで配信されていることを書いた。

今日、なにげなくTIDALでバーンスタインのアルバムを眺めていたら、
ソニー・クラシカルからのアルバムのいくつかにMQAのマークがついていることに気づいた。

えっ、と思う。
本当に? ともおもった。

まだすべてのアルバムということわけではないが、いくつかはMQAで聴けるようになっている。
ということは、もしかすると、グールドも、と思う。

グールドもMQAで聴けるようになっている。
こちらもすべてのアルバムが、というわけではないが、
とにかくMQAでの配信が始まっていることは確かだ。

ほかの演奏家は? と、いうと、
まだまだすべての演奏家を検索したわけではないが、
ジョージ・セル、ブルーノ・ワルターもMQAでの配信か始まっている。

パブロ・カザルスは、もっと数が少ないが、
こちらもMQAでモーツァルトのピアノ協奏曲が聴ける。

クラシック以外では、マイルス・デイヴィスのコロムビア時代のいくつかはMQAで聴ける。

サンプリング周波数はまちまちだ。
いまのところグールドのは44.1kHzのみのようだ。

とはいえ、こんなに早くグールドをMQAで聴ける日が来るとは!

Date: 7月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、IL DIVOのこと

数日前、TIDALの新譜のところを眺めていたら、
イル・ディーヴォの“For Once In My Life: A Celebration Of Motown”があった。
これだけだったら、ここに書くようなことはしない。

そこにMQAのマークがついていた。
えっ、と思う。

イル・ディーヴォはソニーと契約しているはず。
ソニーからMQAが出たのか。

ソニーがウォークマンではMQAに対応しているのは知っている。
けれどレコード会社としてのソニーからMQAが出てくるとは思っていなかった。

グレン・グールドをMQAで聴きたい、と思っているし、
指揮者カザルスだってMQAで聴きたい。

他にもMQAで聴きたい演奏家は、ソニー・クラシカルだけに絞っても何人もいる。
でも期待はしていなかった。
なにか根拠があって、そう思っていたわけではないが、
なんとなくソニーからMQAは期待できない──、
それが数日前までの私の認識だった。

イル・ディーヴォのアルバムは、“Timeless”も、TIDALでMQAで聴ける。

これはイル・ディーヴォ側からの要求でそうなったのだろうか。
そのへんのことは、いまのところ不明だけれども、
少なくともソニーからMQAでの配信がある、という事実。

うれしいかぎりだ。

Date: 5月 20th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その2・補足の補足)

二日前に、Amarra Playを1.26にヴァージョンアップしたところ、
iPhone 12 proとHiByのFC3の組合せで、MQA再生ができなくなった、と伝えた。

二時間ほど前に、1.27が公開になった。
さっそくダウンロードした。

Amqrra Playはあまりアップデートしない。
それがわずかのあいだにアップデートしたということは、
1.26の問題点が解消しているはず、という期待がもちろんあった。

1.27ではMQAの問題は解消されている。
これで寝る前の楽しみが、また味わえるようになった。

Date: 5月 18th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その2・さらに補足)

夜おそくなると、iPhone 12 proとHiByのFC3を使ってヘッドフォン、
そしてTIDALで音楽を聴くことが多い。

再生用アプリはAmarra Playだ。
TIDALにアクセスできて、MQA(コアデコード)に対応してくれているからだ。
FC3はMQAのレンダラーなので、iPhoneでコアデコードしておく必要がある。

先日、Amarra Playが1.26にヴァージョンアップした。
困ったことにFC3でMQA再生ができなくなってしまった。

音は鳴る。
ただしMQAではない。

Amarra Play(ヴァージョン1.26)が、勝手に96kHzにアップサンプリングしているためだ。
送り出し側で信号処理がされると、MQAはMQAとして再生できなくなる。

Amarra Playには、設定項目にPassthrough MQAがある。
これを使うと、信号処理なしになるのだが、
コアデコードもやってくれなくなるので、FC3でMQA再生ができないことは変らない。

ならばFC3ではなく、ほかの製品に買い替えればすむかというと、
この種のポータブルD/AコンバーターでMQAに対応しているモノの多くは、
MQAレンダラーであるから、症状としてはFC3と同じになる。

Amarra PlayにアップサンプリングのON/OFF機能があれば問題解決なのだが、
1.27で解消するのか、それとも変化なしなのか。

Date: 5月 9th, 2021
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その1)

TIDALを半年使っていて感じているのは、TIDALは大型書店のようだ、ということ。
いうまでもなくTIDALは音楽のストリーミングである。

だったら大型のレコード店なのでは? となりそうだが、
私の感覚としては大型の書店に近い。

大型の書店も大型のレコード店も、
そこには大量の本、レコード(録音物)がある(売られている)。

書店は、そこで売られているモノ(本)を手にとって、
内容をおおまかにではあるが確認できる。
いわゆる立ち読みによって、だ。

レコード店は、というと、CDがメインになってからは、
CDチェンジャーが置かれるようになった。
それでスタッフのオススメの何枚かは試聴できるようになったけれど、
あくまでも、試聴できるのは全体の1%にも満たない。
せいぜい十数枚程度である。

そのことに不満はなかった。
なかったけれど、いまTIDALを使うようになって、
気になるレコード(録音物)を、とにかく聴けるようになった。

一分程度聴く場合もあれば、一曲聴くこともあるし、
アルバムを終りまで、ということもある。

店ということで、書店とレコード店というふうにしたけれど、
大型の書店というよりも、大規模な図書館のほうが、イメージとしてはさらに近くなる。

Date: 5月 4th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(MQAとMQA Studio)

MQAに関心のある人ならば、MQAとMQA Studioとがあるのに気づかれているはずだ。
e-onkyoでもそうなのだが、MQAとMQA Studioがしっかりと区別されている。

MQA対応のD/Aコンバーターでは、
MQA再生を示すLEDの色が、MQAでは緑、MQA Studioでは青になる。

TIDALでも、MQAのタイトルは緑の丸、MQA-Studioのタイトルには青の丸がつく。
MQA-CDの場合、再生してみると、緑がつくディスク、青がつくディスクとがある。

これまではMQAとMQA Studioに音の差があるのか、
比較することはできなかった。

e-onkyoでもMQA-CDでも、どちらかだし、
MQAとMQA Studio、両方があるわけではなかったからだ。

それがTIDALには、いくつかのタイトルで、MQAとMQA Studioの両方がある。
しかもサンプリング周波数が同じタイトルがある。

44.1kHzがMQAで、48kHz、96kHz、192kHzがMQA Studioというのもけっこうある。
こういうのは音の違いがあってあたりまえだから、いい。

気になるのは、
同じサンプリング周波数で、MQAとMQA Studioに音の差があるのかだ。
すべてを聴いているわけではないが、
サンプリング周波数が同じでもMQAとMQA Studioだと、差が認められる。
とはいえ、大きな差ではない。

MQAとMQA Studioが、同じサンプリング周波数であったならば、MQA Studioをとるが、
ほとんどのMQAタイトルではどちらか片方だけなのだから、
気にしても仕方ないことでもある。