TIDALという書店(その4)
ステレオサウンドで働いているときに、六本木にWAVEが出来た。
それまではレコードを買うといえば、銀座だった。
頻繁に行ってのはコリドー街にあったハルモニア。
それから日本楽器、山野楽器にも寄っていた。
それがWAVEが出来てからというもの、最低でも週に二回は行っては、
なんらかのディスクを買って帰っていた。
CDが登場したことも重なって、通う頻度は増すばかりだった。
行けば、なんらかの新しいディスクと出逢えた。
あのころ、こんなに楽しい場所は他になかった。
いま、私にとってTIDALがそれに近い。
8月になって、MQAのタイトルが増えている。
何度も書いてるように、ソニーが本格参入したからだ。
お気に入りの演奏家のところをチェックする。
昨日までMQAになっていなかったアルバムが、今日はMQAになっていたりするからだ。
(その3)の終りに、ウーゴ・ディアスもMQAで聴ける日がそう遠くないのでは、と書いた。
その通りだった。
今日、ほとんと期待せずにウーゴ・ディアスのところを見たら、
一枚だけではあったが、MQAになっていた。
ソニーの本気度に感謝するばかりだ。
そして、あのころのWAVEに毎日のように通っていた気分を、三十数年ぶりに味わっている。