境界線(その11)
コントロールアンプは、プリアンプとも呼ばれる。
コントロールアンプを使うのか、プリアンプを使うのかは人によってそれぞれだし、
基本的にはコントロールアンプの方を使う人でも、
トーンコントロールやフィルターなどのコントロール機能を音質向上の名目で省略してしまったアンプについては、
あえてプリアンプと呼びわけることもある。
プリアンプのプリ(pre)には、あらかじめ、とか、○○の前部に、といった意味があり、
Pre Amplifierの日本語訳は前置増幅器である。
なにかの前に置かれるアンプがプリアンプであり、
このなにかとは、パワーアンプのことである。
パワーアンプはメインアンプとも呼ばれるし、
いまではほとんど使われなくなったけれどベーシックアンプとも呼ばれていた。
ヤマハのパワーアンプのBIやB2、B3などのBはbasicの頭文字である。
パワーアンプがメインアンプ(Main Amplifier、日本語訳は主要増幅器か)やベーシックアンプと呼ばれるのは、
初期の電気蓄音器のアンプ部はボリュウム付きのパワーアンプだったからだ。
コントロールアンプと呼べるアンプは電子回路の進歩にともなって、
オーディオの系にあとから割りこんできた存在とも、だからいえよう。
私がコントロールアンプをオーディオの系の中点と考えているのは、このこととも関係している。