Date: 10月 6th, 2010
Cate: 境界線
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境界線(その4)

音楽における低音・中音・高音と、
オーディオにおける低音・中音・高音の定義はまったく同じではなくて、違いがある。

オーディオにおける定義についても、どこからどこまで(何Hzから何Hzまで)が低音で、
高音は何Hz以上からとはっきた決っているわけでもない。
低音・中音・高音の境界線は存在するようでいて、はっきりとしているわけではない。
それに聴いた感じの低音・中音・高音もあれば(しかもこれは個人によって、その区分け方は異ってくるから)、
スピーカーシステムでは、システム構成によって、その区分け方に微妙な違いが生じてくる。

どんなオーディオの本を読んでも、おおまかな目安についてはかかれていても、
はっきりとした数値で表したものはない。
あったら教えていただきたい。

瀬川先生も「オーディオABC」の中で書かれているように、
低音と中音の分かれ目で、音がガラリと変ることはない。

「オーディオABC」の中にある「オーディオ周波数と再生音の効果」の図をみても、
それぞれの音域は、となりあった音域とすこしずつ重なりあっている。
その重なりあっている音域あたりから、なんとなく音の効果が変っていくわけで、
その重なっているところ、つまりクロスオーバー周波数がかりに4000Hzだったとして、
あたりまえすぎることだが、4000Hzと4001Hzの正弦波を聴いたとして、
そのふたつの音の印象・効果の違いなんてわからない。3900Hzと4100Hzでもおなじだ。

4000Hzの1オクターヴ上(8000Hz)、1オクターヴ下(2000Hz)の違いとなると、
これは誰の耳にでもはっきりとわかる。

こんどは2000Hzから8000Hzまでスイープさせながら音を聴いていく。
周波数が高くなっていくのがわかるとともに、音の印象・効果も変化していくのはわかっても、
その変化ははっきりと色分けできるものではなく、グラデーションであり、いつのまにか印象が変っている。
変っていくのはわかっても、はっきりとここで変るといえる性質のものではない。

長々書いているが、結局のところ、音に境界線はない、といえる。
すべてが連続しつながっている。

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