確信していること(その4)
じつは、この項に関しては、つづきを書くつもりはなかった。
最初に書いた3行だけだったのだが、デッカのデコラのことが頭に浮かんできて、
その次に、JBLのパラゴンのことが、ふいに浮かんできた。
デコラは浮かんできたことについて、すんなり理解できるものの、
パラゴンに関しては、ほんの少しのあいだ「?」がついた。
でも、そうだ、パラゴン「!」に変った。
じつは以前から、瀬川先生のパラゴンについて書かれたものを読むとき、
どこかにすこしばかり「意外だなぁ」という気持があった。
同じJBLのスピーカーとはいえ、瀬川先生が愛用されていた4341、4343といったスタジオモニター・シリーズと、
D44000 Paragon ずいぶん違うスピーカーシステムである。
もっともパラゴンは、他のどんなスピーカーシステムと比較しても、特異な存在ではあるけれど、
どうしても瀬川先生が指向されている音の世界と、そのときは、まだパラゴンの音とが結びつかなかったから、
つねに「意外だなぁ」ということがあった。
工業デザイナーをやられていたことは、けっこう早くから知っていたので、
パラゴンに対する高い評価は、音に対すること以上に、
そのデザインの完成後、素晴らしさに対することへのものが大きかったからだろう……、
そんなふうに勝手な解釈をしていたこともあった。
けれど、いくつかの文章を読めばわかることだが、パラゴンに関しては、絶賛に近い書き方である。
デザインだけではないことが、はっきりとしてくる。