2008年ショウ雑感(というより境界線について)
アンプの重量バランスの違いによって生じる音の差だけを、純粋に抽出して聴くことはできない。
アンプの音は、いうまでもなく重量バランスだけによって決定されるものではなく、
回路構成、パーツの選択と配置、筐体の構造と強度、熱の問題など、
さまざまな要素が関係しているのは、
福岡伸一氏のことばを借りれば、動的平衡によって、音は成り立つからだろう。
福岡氏は、週刊文春(7月23日号)で、
「心臓は全身をめぐる血管網、神経回路、結合組織などと連携し、連続した機能として存在している」
と書かれている。
これを読み、じつは「境界線」というテーマで書くことにしたわけだ(続きはまだ書いていないけれど)。
動的平衡と境界線について考えていくと、意外に面白そうなことが書けそうな気もしてくる。
オーディオにおける境界線は、はっきりとあるように思えるものが、曖昧だったりするからだ。
そして境界線といえば、川崎先生の人工心臓は、この問題をどう解決されるのか──。
クライン・ボトルから生まれた川崎先生の人工心臓は、どういう手法なのかは全く想像できないけれど、
トポロジー幾何学で、境界線の問題を解決されるはず、と直感している。
そこからオーディオが学べるところは、限りなく大きいとも直感している。