Archive for category ショウ雑感

Date: 11月 7th, 2013
Cate: アナログディスク再生, ショウ雑感

2013年ショウ雑感(アナログディスク再生・その4)

スクラッチノイズの出方で、今回のインターナショナルオーディオショウで印象に残っているのは、
タイムロードのブースに鳴っていた、いわゆるレーザーターンテーブルである。

カートリッジという機械式のピックアップではなく、
レーザー光を使った、非接触型のピックアップによるアナログディスク再生を可能にした、
エルプのプレーヤーのことだ。

ちょうどタイムロードのブースにはいったときに、
エルプのレーザーターンテーブルによる音出しだった。
入った瞬間、不思議な質感の音だな、と思って正面をみれば、
アナログディスクのジャケットが、いまかけているディスクとして置いてあった。

しかもスクラッチノイズの出方も、聴きなれた感じとは違う。
どのアナログプレーヤーが鳴っているのか確認してみれば、エルプのレーザーターンテーブルだった。

ダイアモンドの針先が音溝と接触している、これまでのカートリッジによる再生と、
光学式では、トーンアームの振動の問題も含めて、
アナログディスク再生といても、条件はそうとうに異る面・要素をもつ。

そのためなのかどうかは、タイムロードでの短い時間で聴いただけでははっきりしたことはいえないのだが、
それでもノイズが皆無なのではなく、その出方が、これまでとははっきりと違っている。

これだけノイズの出方が違っているということは、
音に関してもそうとうに違う質感で鳴ってきても不思議ではない。

ここでも比較対象となるアナログプレーヤーの音が聴けなかったので、
これ以上音について触れるのはやめておくが、
アナログディスクの音について考えていく上で、決して無視できない存在である。

Date: 11月 7th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(その9)

今回は会場にいた時間はそれほどながくはなかったので、
聴きたいブースの音のためには、時間に余裕がある時ならば、
あまり関心の持てない人の話をきかずにすむのだが、今回はそうはいかなかった。

そのブースを音を聴くには、オーディオ評論家と呼ばれている人の時間帯にあたってしまった。
それでも、どういう話を、どういう話し方でする人なのだろう、という関心はあった。

話が始まった。
五分もきいていたら、いいかげん音を聴かせて欲しい、と思っていた。
でも話は続く。
しびれがきれる寸前で、やっと音を鳴らすことになったのだが、
ここでもまた少し話があって、それこそ、やっと音が鳴った。

一曲終り、また話が始まる。
そして二曲目、話、三曲目……。

話と音楽が交互にくるのは、どの人でも同じである。
同じであるからこそ、話の内容、かける音楽の違いが、より鮮明になってくる。

今回のショウで最終日の最後にステラのブースで柳沢功力氏によるテクダスのAir Force Oneをきいていた。
きいていて、上に書いた人とは正反対で、こちらがしびれをきらすようなことはほとんどなかった。
話もきいていて面白い。
話の内容すべてに同意できるわけではないし、疑問があるところもないわけではないけれど、
それでも、柳沢氏の話をきいていて感じていたことは、
話の巧拙ではなく、ああ、この人はプライベートでは、こういうオーディオの楽しみ方をしているんだ、
そういうことが話をきいて想像できるから、おもしろかったし、退屈することがなかった。

そこで感じられた楽しみ方が、自分の楽しみ方と完全に一致する必要はない。
とにかく、その人がどういう楽しみ方、オーディオと音楽との接し方をしているのかが、
きちんと伝わってくれば、話をしている人と私とのあいだに、いろいろな違いがあっても、
そんなことは問題にはならない。

上に書いた人の場合、私にはその人のオーディオの楽しみ方が伝わってこなかった。
話をきいていて、この人は、オーディオで音楽を聴くことを楽しんでいるのだろうか……、とさえ思っていた。

Date: 11月 5th, 2013
Cate: ショウ雑感
1 msg

2013年ショウ雑感(行けば楽しい・その2)

国際フォーラムに搬入するということは、その前に各メーカー、輸入商社は自社からの搬出作業がある。
その搬出作業の前には機材のチェックがあるはずだし、梱包作業がある。
そうやって搬出し、会場に搬入し、開梱して設置する。
場合によっては、梱包資材はブースに置ければいいけれど、そうもいかなければ持って帰ることにもなる。
搬出作業はこの逆を行う。

実際にやってみると、たいへんなことである。
しかも今週末(8、9、10日)は大阪でまたオーディオショウがある。
ほとんどの会社が前日には大阪入りすることだろうから、
インターナショナルオーディオショウとハイエンドオーディオショウの両方に出展する会社は、
例年よりも大変であろう。

いま東京で開催されるオーディオ関係のショウはほとんどが無料である。
インターナショナルオーディオショウもハイエンドオーディオショウも入場するのにお金は要らない。
もっとも会場で欲しい、と思ったモノを手に入れるには、かなりの金額を必要とするけれども。

けれど会場を借りるのにはお金が必要となる。
搬入搬出作業にもお金はかかる。
お金はそれ以外にも出ていく……。

そういうオーディオショウが無料で入場できるわけだ。
なのに、人が多いとか、まともな音なんか聴けないから、とか、
電車に乗るのが面倒だから、とか、家族サービスをしなければならない、とか、
行かない理由なんて、いくらでもつけようと思えばつけられる。
そうやって行かない人は、もしオーディオショウが開催されなくなったら、
なんというだろうか。

毎年開催してくれている、とおもっている。
それも営業活動だろう、といえばそうである。
けれど、直接的な営業活動ではない。
あくまでも間接的な営業活動でしかない。

Date: 11月 4th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(行けば楽しい・その1)

今年のインターナショナルオーディオショウには初日と最終日に行った。
行くまでは、人が多いんだろうな……、そんなことを思っている。
でも会場に着き、それぞれのブースを廻っていると、やはり楽しい。

音なんて、ブースに入って瞬間にわかる、
だから一分もいないよ、
──こんなことを堂々と語る人を知っている。
インターネットにも同じようなことを書いている人もいる。
同じ人なのかどうかはわからないけれど、
こんなことを言って、何が楽しんだろう……、と思う。

自分の耳の良さでも自慢したいのだろうか。
そうやって自慢しなければならないほどの耳なのか。

どのブースにしても100%の状態で鳴っているわけではない。
そんなことは、このインターナショナルオーディオショウに何度か来ている人ならばみなわかっている。

だから聴く価値がない、という人もいる。
ほんとうにそう思っているのだろうか。

いくつか注文をつけたくなるところは私も持っている。
それでも、行けば楽しい。

おそらくショウ初日の前日の夜に、
各ブースの人たちは搬入作業をやっているはず。
エレベーターの数は限りがあるから順番を守っての搬入になるはずだ。

インターナショナルオーディオショウで使うブースはほとんどが会議室としてつくられているわけだから、
展示場として設計されている施設よりも搬入条件はよくない、と思う。

そうやって搬入してオーディオ機器の設置、それにブースの設置などの作業。
それから音を出しての調整。

初日の朝も、調整しているところもある、と思う。
実際に数年前、ショウの二日目の朝、あるブースで調整の最中だった場に遭遇している。

Date: 11月 4th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(その8)

デモンストレーションとは、辞書(大辞林)には、
勢力・技能・性能などをことさらに示すこと。また、そのための行動や実演、とある。

勢力・技能・性能などを示すことがデモンストレーションであるのなら、
音出しをデモンストレーションと呼ぶことに抵抗はないのだが、
「ことさらに」とあるから、デモンストレーションは使いたくないし、抵抗を感じる。

ことさらとは、際立つように意図的に物事を行うさま。故意に、わざと、と辞書にはある。

オーディオフェアのような会場では、「ことさらに」も必要となってきたかもしれないが、
インターナショナルオーディオショウでは「ことさらに」は必要ではない。
だからデモンストレーションではない。

ならば、講演なのか。

講演とは、聴衆の前で、ある題目のもとに話をすること。また、その話であるから、
インターナショナルオーディオショウでオーディオ評論家と呼ばれている人がそれぞれのブースで、
そこで取り扱っているオーディオ機器について話すことは、講演の範疇に、言葉の意味としては入る。

講演と呼ぶことを理解はできても、それでも納得がいかない。
講演と呼んでいいのか、というおもいがどうしても残る。

講演の講の文字が頭につく言葉には、講解、講学、講義、講座、講師、講釈、講読、講評、講明、講論などがある。
講演を含めて、これらから受ける印象が、
どうしてもインターナショナルオーディオショウのブースでやられていることとはあわない。

何もすべての、それぞれのブースでやられていることが講演と呼べないとは私だって思っていない。
講演だ、と思える場合も確かにある。
でも、残念なことにそれはわずかである。

インターナショナルオーディオショウで行われている、いわゆる講演のすべてをきくことはできない。
体はひとつしかないから。
でも、関心があまり持てない人でも、一度は、そのブースに行ってきいてはいる。

Date: 11月 4th, 2013
Cate: アナログディスク再生, ショウ雑感

2013年ショウ雑感(アナログディスク再生・その3)

ステラのブースで鳴っていたスピーカーもアンプも、それにAir Force Oneも、
私にとっては初めて聴くモノばかりであった。
そういうシステムで、しかも比較対象がない状況でどれだけ正確に音を判断できるのか。
そのことに疑問を持たれるかもしれない。

アナログプレーヤーを、聴きなれているモノと比較できれば、
より正確にAir Force Oneの実力・素姓は掴める。

今日の音出しは、何ひとつ変えることなく、二時間Air Force Oneによるアナログディスクの再生だった。
同じディスクのCDが再生されることもなかった。

それでもアナログディスクにはスクラッチノイズが、宿命的につきまとう。
そしてこのスクラッチノイズが、こういうなにもかもが聴くのが初めてのシステムであっても、
確かな基準となってくれる。

別のブースでのことだが、ここでもアナログディスクがかけられていた。
高価なカートリッジ、高価なトーンアーム、高価なターンテーブル、
トータル金額はAir Force Oneには及ばないものの、かなり高価なシステムである。
このシステムも、初めて聴くモノばかりで構成されていた。

このプレーヤーでのスクラッチノイズは出方は、
私が良しとするアナログプレーヤーでので方とは異質の出方だった。
ノイズの量としては多くはないけれど、やけに耳につく。
なぜ、そういうノイズになってしまうのか、
そのアナログプレーヤーを自分の手で調整してみて音を聴いてみないとはっきりとしたことは何も言えないが、
ただ単に調整がおかしいだけとは思えない、そんなノイズの出方・質(たち)であった。

Date: 11月 4th, 2013
Cate: アナログディスク再生, ショウ雑感

2013年ショウ雑感(アナログディスク再生・その2)

朝からの用事が予想以上にはやく片づいたので、今日もインターナショナルオーディオショウに行ってきた。
会場に着いたのが13時ごろ。

まずアークのブースに行き、VOXATIVが鳴らされる時間をチェックして、
それまでの間リンのブースに行っていた。
それからアークのブースに15時までいて、
ふと前を通りかかったステラのブースに入ったら、
ちょうど柳沢功力氏によるテクダスのAir Force Oneの音出しが始まるところだった。

一昨年展示してあったAir Force One、
この時は音は聴けなかった。
去年はインターナショナルオーディオショウに行けなかった。
なのでやっと今年、その音を聴くことができた。

最初にかけられたディスクは、柳沢氏ということから、すぐに、あれか、と思われる方も少なくないと思う、
ローズマリー・クルーニーだった。
このローズマリー・クルーニーのディスクは所有していないけれど、
何度か聴いたことのあるディスクである。

ローズマリー・クルーニーのディスクの上にカートリッジの針先が降ろされ、
音が鳴り出すまでのわずかの間、ここから、おっと思わせる。
音が鳴る。
見事だ、と素直に思える音が鳴ってきた。

アナログディスク再生に関しては、これまでいくつかの印象に強く残る出合いがある。
トーレンスのReferenceを初めて聴いたときのこと、
EMT・927Dstを聴いた時、
トーレンス101 Limitedを手に入れての、はじめての音出し。
その101 LimitedにノイマンのDStとDST62を取り付けて鳴らした音、
マイクロのSX8000IIをステレオサウンドの試聴室で初めて聴いた時、
そしてそのSX8000IIにSMEのSeries Vを取り付けて聴いた時、などである。

テクダスのAir Force Oneの音も、そうなる。
特にSeries Vを聴いた時、アナログディスクでもここまで鳴るのか、と、
アナログディスクの仕組み上のあきらめなければならないと思っていたことを、
Series Vは見事に克服していた。

そのSeries Vに感じた、同じことをAir Force Oneにも感じていた。

Date: 11月 3rd, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(その7)

オーディオフェア・オーディオショウで音を出さないブースはない。
来場者は音を聴きに来ているわけだから、音を出さないわけにはいかない。

この音を出す行為は、なんと呼ぶのがいいのだろうか。

晴海でのオーディオフェアでの音出しは、会場がああいうものだったこともあり、
デモンストレーション(demonstration)がぴったりきていた。

インターナショナルオーディオショウのように各ブースが音響的に隔離されているわけではなかった。
晴海の見本市会場に仕切を立てて各社はブースをつくっていく。
来場者の数も多い。
会場内のS/N比は、インターナショナルオーディオショウとは比較にならぬほど悪かった。
そういう環境での音出しだからこそ、デモンストレーションだった。

いまはそうではない。
インターナショナルオーディオショウの会場となる国際フォーラムの扉は重く分厚い。
会議室としてつくられているだけに、扉を閉めてしまえば遮音は完璧とはいかないものの、悪くはない。
こうなってくると、ここでの音出しは、もうデモンストレーションとは呼びにくいし、そう呼ぶことに抵抗もある。

ではなんと呼べばしっくり来るのか。

すべてのブースではないが、半数以上のブースではオーディオ評論家と呼ばれている人たちによる音出しをやる。
これをインターナショナルオーディオショウでは講演と呼んでいる。
これも、まったくしっくりこない呼び方だ。

Date: 11月 3rd, 2013
Cate: Bösendorfer/Brodmann Acoustics, ショウ雑感

Bösendorfer VC7というスピーカー(2013年ショウ雑感)

Bösendorfer VC7というスピーカー」という項を立てて、(その28)まで書いている。
まだ書いて行く。

Bösendorfer(ベーゼンドルファー)からBrodmann Acousticsに変ってから、
日本へは輸入されていない。
現行製品ではあるけれど、日本ではいまのところ買えない。

だからこそ書いていこう、と思っているし、その反面、輸入が再開される可能性も低いだろう、と思っていた。

今年のインターナショナルオーディオショウでの、予想していなかった嬉しい驚きは、
Bösendorfer(Brodmann Acoustics)のスピーカーシステムが、
フューレンコーディネイトのブースの片隅に展示されていたことだった。

目立たないように、という配慮なのだろうか。
うっかりすると見落してしまいそうな感じの展示である。

今日の時点ではフューレンコーディネイトのサイトには何の情報もない。

Brodmann Acousticsのスピーカーシステムの日本での不在の期間(三年ほどか)がひどく永く感じられた。
このスピーカーシステムは、だからといって日本でそれほど売れるとは思えない。
思えないからこそ、このスピーカーシステムの輸入を再開してくれるフューレンコーディネイトには、
感謝に近い気持を持っている。

スピーカーのあり方は、決してひとつの方向だけではない。
そんなことはわかっている、といわれそうだが、
実際に耳にすることのできるスピーカーシステムの多くがひとつの方向に集中しがちであれば、
この当り前のことすら忘れられていくのではないだろうか。

その意味でも、Brodmann Acousticsが聴けるということは、
大事にしていかなければならないことでもある。
フューレンコーディネイトが、その機会をふたたび与えてくれる。

Date: 11月 2nd, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(ADAM Column Mk3)

2011年のこの項で、太陽インターナショナルのブースで、
ドイツのADAMのColumn Mk3を聴いた印象について書いた。

今年も、このColumn Mk3を楽しみにしていた。
太陽インターナショナルのブースにはいったとき、
かかっていたのはカンターテ・ドミノだった。

ステレオサウンドの試聴室で、いったいどれだけの回数聴いたか、
数え切れないほど聴いているし、自分のシステムでもかなりの回数聴いている。
SACDになったときも、いまさらかな、と思いつつもやっぱり手が伸びて、
しばらくは頻繁に聴いていた。

そのカンターテ・ドミノが鳴っていた。

太陽インターナショナルのブースでは、Column Mk3の斜め後にアヴァロンのISISが置いてあった。
どちらが鳴っているのかは、ブースに入った瞬間にわかった。

Column Mk3は、いい感じでカンターテ・ドミノを鳴らしていた。
去年のインターナショナルオーディオショウには行けなかったから、二年ぶりのColumn Mk3の音になるわけだが、
聴いてすぐにColumn Mk3が鳴っていると感じさせるのは、
このスピーカーがただ単に優秀なスピーカーシステムというだけにとどまらずに、
音楽を聴く上で大切なことを、少なくとも表現しているからのようにも感じる。

もっともそれはあくまでも私にとって、ということになってしまうのかもしれない。
でもスピーカー選びとは、非常に個人的なことである。
どこまでいっても個人的なことであるから、それはそれでいい。

私にとってADAMのColumn Mk3は、どこか心に残る音を鳴らしてくれるスピーカーなのかもしれない。

Date: 11月 2nd, 2013
Cate: アナログディスク再生, ショウ雑感

2013年ショウ雑感(アナログディスク再生・その1)

インターナショナルオーディオショウに行ってきた。
今年もアナログディスクをかけることがいくつかあった。

あるブースでもかけられていた。
一枚目は旧い録音で、私は聴くのが初めてのディスクだった。
それでも曲の途中でトレースがおかしくなっているところにすぐ気がついたし、
それが録音に問題があるのではなく、カートリッジを含めてトーンアームの調整に不備があるということは、
すぐに判断できる、そのような不備だった。
しかも、このときの音の不備はふたつあった。
トレース不良と出力レベルの不安定さ、である。

それでもこのブースで音出し(装置の操作)を担当している人は気がつかなかったのか、
二枚目のアナログディスクをそのままかけた。
こちらのディスクは何度も聴いたことのあるディスク。

何曲目を鳴らすのかは事前にはアナウンスはなかったけれど、
鳴り始めたら、すぐに何曲目かはわかるし、
この曲ならば、ここにきたら一枚目よりももっとはっきりと不備が出てくるであろうことは予測できた。

そのとおりに、調整の不備が音が出てしまった。
そしてやっと調整に不備があって、すいませんでした、と担当者がいう。

調整に不備があってはならないこととはいえ、
ああいう会場では何かがおきてもふしぎではないから、
もうすこししっかりしてほしい、とは思いつつも、これを強く非難しようとは思わない。

ただ問題にしたいのは、一枚目のアナログディスクでも軽微とはいえ、
調整の不備による音のおかしさはあらわれていた。
なぜ、ここで担当者、そのブースのにいたほかのスタッフは気がつかなかったのか、ということ、
これについては書いておく。

つまり装置を操作していた担当者は、一枚目のアナログディスクの音をほとんど聴いていなかった、
そうとしか思えない。
きちんと聴いていればすぐになんらかのアクシデントが起っていることはわかるのだから。

にも関わらず二枚目のディスクで、もっとはっきりとあからさまに出て初めて気がつくということは、
聴きに来ている人たちに対して、不誠実だといえなくもない。

Date: 10月 28th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(インターナショナルオーディオショウ講演スケジュール・その3)

インターナショナルオーディオショウには、海外メーカーの人たちも大勢来る。
会場となる国際フォーラムに行けば見かける光景に、
違うメーカーの人たちが話している。何を話しているのかはわからないけれど、
そんな光景をみていると、これを利用しない手はないだろう、と思ってしまう。

それぞれのブースでメーカーの人が話すのはたいていひとり。
複数のときもあるけれど、当然だが、同じメーカーの人たち同士。

それとは別に、違うメーカーの人たちによる対談なり鼎談を行ってほしい、と思う。
あらかじめスケジュールを決めるのは難しいだろう。
むしろ当日、やってくれそうな人たちに声をかけて、臨機応変に行うのがいいのかもしれない。

これをやるにはいくつかのことをクリアーしていかなければならない。
そのいくつかは私でもすぐに指摘できることがある。
ひとつせはブースの問題がある。

もうすでに空きブースはない。
とにかくいろいろと調整しなければならないことはあるのはわかっている。
でも、このことにしても、
ひとつ前に書いた取扱い輸入商社が違うモノを組み合わせての試聴にしても、
まったく無理なことではない。

やろうとすれば、実はすんなりできたりすることではないのか。
インターナショナルオーディオショウは、もっともっとおもしろいものにできる可能性がある。

Date: 10月 28th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(インターナショナルオーディオショウ講演スケジュール・その2)

昨年はどうにも都合がつかずにインターナショナルオーディオショウには行けなかった。
今年は、どうしても聴きたいモノがある。
だからなんとかどこか一日は行くつもりだ。

聴きたいものとは、アークが輸入を開始したドイツのスピーカー、ヴォクサティヴである。
高能率のフルレンジ型ユニットに、バックローディングホーン型エンクロージュアの組合せ。
それもただ単に過去の、こういったモノを復刻しただけではなく、
設計者・創業者のバックボーンを活かした、といえるこのシステムは、ぜひとも聴いてみたい。

とにかく時間がそれほどとれなくても、これだけは聴いてこよう、と想っているわけだが、
アークが取り扱っているアンプはダニエル・ヘルツのみである。
ということはアークのブースでは、ダニエル・ヘルツのアンプでヴォクサティヴが鳴らされるのか、
それともヴォクサティヴのサイトを見ると、アンプもラインナップされていることがわかる。
やはり管球式のアンプである。
これらも一緒に来て、鳴らされるのだろうか。

それはそれでいいのだが、個人的にいちばん聴いてみたいのは、
ステラ取扱いのアインシュタインのパワーアンプ、The Light In The Dark Limitedである。

とはいえヴォクサティヴがアインシュタインで鳴らされる音を聴くことはかなわないことは、わかっている。
それでも聴きたい気持だけはどうすることもできない。

私の場合、今年はこの組合せだが、
私以外の人には、その人だけの、ぜひ聴いてみたい組合せがきっとあるはず。
その組合せが、同じ輸入商社の取扱いであれば、何の問題もない。
けれどそういうことのほうが少ない。

Date: 10月 27th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(インターナショナルオーディオショウ講演スケジュール・その1)

数日前に、インターナショナルオーディオショウの講演スケジュールがPDFで公開されている。

ぱっと眺めてまず感じたのは、なんだかスカスカだな、ということだった。
数年前はどのブースも講演スケジュールがけっこうあった、と記憶している。
回数が減っているだけでなく、講演を行う人も減っていることに気がつく。

去年の講演スケジュールのPDFを保存しているわけではないし、
去年は都合がつかずに行けなかったから、ひじょうに曖昧な記憶との比較だが、
去年やっていたけど今年はやらないという人が三人いるようだ。

講演を行うのは、ほとんどがオーディオ評論家と呼ばれている人たち。
この人たちの話を聞きたい、という人も多くいる一方で、
この人たちの話すことは、少し待てばオーディオ雑誌で読めるし、特に興味はない。
それよりもせっかく海外からメーカーの人たちが来てくれているのだから、
その人たちの話を聞きたい、という人も少なくない。

昔のオーディオフェアのように開催期間が一週間ほどあれば、
どちらの希望も満たせるスケジュールも可能だろうが、三日間ではそれは百合だろうし、
だからといってインターナショナルオーディオショウを一週間は無理としても五日間やるというのも、
やはり無理な話であろう。

それにオーディオ評論家と呼ばれている人たちの話もメーカーの人たちの話も、どちらもいらない。
ききたいのは音だ、という人にとっては、
講演によって音を聴く機会を奪われている、ともいえる。

とにかく音を聴くことを第一目的としている人にとっては、講演はよけいなものとなるし、
今年のように講演が少ないことは歓迎していることだろう。

どれがいいのかはなんともいえない。
でも、今年の講演スケジュールをみていると、やはり寂しい気がする。

Date: 10月 26th, 2013
Cate: ショウ雑感

2013年ショウ雑感(1980年当時のショウルームと広報誌)

1980年は、まだオーディオフェアの時代だった。
メーカーのショウルームも、東京にはいくつもあった。

サンスイのオーディオセンターは、西新宿にあった。
テクニクス、オーレックス、ダイヤトーン、ソニー、Lo-Dは銀座に、
トリオは丸の内、フォステクスは水道橋、オンキョーは秋葉原、ラックスは湯島、ビクターは高田馬場、
ヤマハはお茶の水、パイオニアは目黒、アカイは東糀谷、シャープは市ケ谷、オットー、コーラルは末広町に、
オーディオテクニカはショウルームではないものの、
創業者・松下秀雄氏のコレクションの蓄音器のギャラリーが町田(現在もあるはず)だった。

それだけでなくそれぞれのメーカーは広報誌も出していた。
ソニーはES REVIEW、ヤマハはapex、フォステクスはエコーズ、トリオはSUPREME、
サンスイはAudio journal、パイオニアがHIFiWay、オーレックスがAurex Joy。

すべての広報誌を読んだわけではないが、
これらは単なる自社製品の広報だけの本ではなかった。
すべてが無料だったわけではないが、それだけに読める広報誌だった。
おもしろい記事もあった。