2013年ショウ雑感(アナログディスク再生・その12)
オルトフォンのSPU-GとSMEの3012-Rの組合せは、定番中の定番といえたかもしれない。
オルトフォンのRMG309よりも、SMEのロングアームの方がSPUと組み合わされることは多かったかもしれない。
SPUのように針圧が3g前後のカートリッジにはダイナミックバランス型のトーンアームが向く。
そういう思い込みにとらわれている人にとっては、
SMEの3012-Rはスタティックバランスということで関心を持たないかもしれない。
でもこの組合せは、ステレオサウンドの試聴室で何度聴いたのかは忘れてしまったほど聴いている。
私がいたころのステレオサウンドの試聴室にあったのは、SPU-Goldだった。
ほとんどのレコードを難なくトレースしてくれた。
トレースに不安を感じて調整をしなおした、ということは一度もない。
安心してさまざまなレコードをかけられる組合せだった。
定番同士の組合せだから、といえるだろうし、
そういうモノだから定番と呼ばれている、ともいえる。
定番と呼ばれているモノは、その多くがこういう良さを有している。
モノマニア的なところがないオーディオマニアはいないのかもしれない。
だから、人とは違うモノに魅力を感じてしまうのかもしれない。
誰もが使っている定番はできれば使いたくない。
そういう視線で目新しいモノを選んでしまうと、それは時としてエキセントリックだったり、
エキゾティシズムの魅力のモノだったりすることがある。
オーディオ機器には、昔からそういうモノが存在しているし、いまも存在している。
特に一部のアナログ関係のモノ、スピーカーシステムに見られる。
それらすべてがそうゆうわけではないが、中には以前書いているように欠陥スピーカーといいたくなるモノがある。