LINN EXAKTの登場の意味するところ(その6)
池田圭氏がぎりぎり明治の生れだったとしたら、1981年の時点で70歳ということになる。
70にして、dbxの20/20を試聴もすることなく購入されたことを、どう思うのか。
池田氏はウェスターン・エレクトリックの大型ホーンを中心としたシステムを組まれている。
アンプは真空管アンプ。
池田氏の著書、盤塵集(ラジオ技術社)、音の夕映え(ステレオサウンド)を読めば、
池田氏のオーディオの考え方がある程度は掴めるし、
どういう取り組み方をされているのかも伝わってくる。
あの歳で、こういうシステムを使っている人ならば……、
そんな紋切り型の捉え方をするのであれば、
20/20の導入は、何を血迷われたのか、ということになるだろうし、
先入観にとらわれずに何でも自分で試される人という見方からすれば、
20/20の導入は自然なこととしてうつる。
池田圭氏はステレオサウンド 61号に、
「僕のオーディオは僕のためになるからである。」と書かれている。
そういう池田氏だから、20/20をすんなり導入されたのだろう。