PCM-D100の登場(その1)
2010年5月8日に、こんなツイートをしている。
《いまのソニーにただひとつ期待しているモノ──。
PCM-M10、PCM-D50ではなく、DSD-M10、DSD-D50といったモノ。
でも、きっと出ないと思っているけど、それでも、ほんのちょっとだけ、もしかすると……とも思っている。》
このとき、ソニーのプロダクト・デザイナーのO氏から、返信があった。
「いつか出します」ということだった。
それに対し、こう書いた。
《目標を明確化し、そこに集中・注力したときのソニーの開発力のすごさで、ぜひ製品化してください。
すごくすごく期待しています。》
本音で期待していた。
あれから一年が経ち、二年が経ち、もうそういうモノはソニーから出てこないのか……、となかばあきらめていた。
ソニーの開発力をもってすれば、こんなに時間がかかるとは思えなかったからだ。
昨日、Twitterを眺めていたら、
ソニーからPCM-D100が出た、とあった。
あの日から、三年以上経っている。
でも、とにかくソニーから出た。
型番からいえば、PCM録音モデルで、DSD録音器ではないのか、と思えそうだが、
PCM録音(24ビット、192kHz)、DSD録音(2.8MHz・1ビット)ともに可能としている。
DSD録音だけであれば、さほど売れなかったかもしれない。
だから、PCM録音とDSD録音、どちらにも対応したのかもしれない。
そのへんの事情は、どうでもいい。
ソニーが、やっと、こういうモノを出してくれたことは、素直に喜びたい。
発売は11月21日、オープン価格(10万円前後になるらしい)。
PCM-D100を買っても、特に録音したいものがない、という人もいると思う。
私だって、PCM-D100を買って、これを録音したい、と決めているものがあるわけではない。
そういう意味では、使用目的を明確にせずに、ということになる。
けれど、こういうモノは、いいな、欲しいな、と少しでも感じたり、思ったりしたら、
そして経済的に余裕があれば、まずは買ってみることだ。
買ってみて、触ってみて、とにかく身近な音から録音してみる。
そこから、何かが始まる予感を、使い手にもたせてくれる、そういうモノだと思っている。
そして、PCM-D100についてこうやって書けることが、素直に嬉しい。