Date: 8月 8th, 2013
Cate: 録音
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インバルのマーラー・ツィクルス

エリアフ・インバルのマーラーの交響曲の録音は、
1980年代、デンオンへの録音があり、
四番と五番は録音の良さでかなり話題になったし、
ステレオサウンドの試聴室で、この二枚のマーラーはどれだけの回数再生されただろうか。

四番の録音はワンポイントということで話題になった。
五番はワンポイントではないものの、補助マイクロフォンに対してデジタル信号処理によるディレイをかけて、
メインのマイクロフォンとの時間のズレを補正していることで話題になっていた。

売行きが良かったこともあり、当時登場した金蒸着CDも発売された。
インバルのマーラーをそれほどいいと思っていなかった私だけれど、
金蒸着CDを買ってしまった。

でもしばらくすると聴かなくなっていた。

このインバルのマーラーを、私は高く評価しないけれど、
録音だけでなく、演奏においても高く評価する人が少なくないことは知っていた。

このことに関しては、どちらの耳が確かなのか、といったことよりも、
マーラーの音楽に何を聴き取ろうとしているのかの違いでもあり、
ひとりの人間でも、いろんなマーラーの演奏を求めて聴くわけで、
その範囲がかなり広い人もいれば、そうでない人もいる。

私の場合、その範囲にインバルはひっかかってこなかっただけである。

いまインバルと東京都交響楽団によるマーラー・ツィクルスが始まっていることは、
そんな私でも知っている。
エクストン・レーベルからSACDで出ている。

一番と二番がレコード店の店頭に並んでいる。
一番はワンポイント録音である。

デンオン録音のインバルでも、一番はワンポイントではなかった。
デンオンでのインバルとエクストンでのインバルとのあいだには、約30年の開きがある。

その月日がどう録音に関係してくるのかに、興味がないわけではない。
エクストンでの二番はワンポイントではない。
編成の規模からすれば当然だろう。

でもきっと四番はワンポイント録音で出てくる、と期待している。
もしかすると五番もワンポイント録音になるのでは、とこれもまた期待している。

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