「言葉」にとらわれて(Kii THREE・その2)
ハイエンドのブースで鳴っているスピーカーといえば、
プラズマ(イオン)トゥイーターを搭載したランシェオーディオである。
ブースに入って時も、ランシェオーディオのスピーカーが鳴っている、と思ってしまった。
そして、いままでのランシェオーディオとは少し違って、いい感じだな、と思って聴いていたら、
完全に私の勘違いで、鳴っていたのは隣に置いてあった小型スピーカーだった。
ドイツのKii AudioのKii THREEというアクティヴ型スピーカーが鳴っていた。
少し驚いていたら、Kii Aiduoの人による解説がはじまった。
小型2ウェイのように一見思えるが、
6ウェイということだった。
フロントバッフルにメインといえるウーファーとトゥイーターがあり、
両サイドにウーファーが一発ずつ、リアバッフルにウーファーが二発あり、
それぞれのユニットに専用アンプをもち、DSPによる信号処理を行っている、とのこと。
つまりウーファーユニットは計五発ついているわけだが、
いわゆるダブルウーファー的発想の延長でのウーファーの数ではなく、
ウーファーの指向特性をコントロールするためのユニットの数であり、
DSPによる信号処理であり、200Hz以下の周波数では単一指向性を実現している、という。
それによるメリットは、部屋の影響を受けない、ということだった。
そして見た目はこんなに小型であっても、2m×2mの大きさのスピーカーに匹敵する、とも話していた。
Kii Audioの人が話していたは英語であり、ハイエンドのスタッフの人による翻訳だった。
私の勝手な解釈なのだが、この2m×2mというのは、平面バッフルのサイズのことではないか、と思っている。
Kii THREEの搭載されている技術が具体的にはどういうものなのか、詳細はわからないが、
平面バッフルのコンパクト化のヒントが、ここにある、そう確信できた日だった。