Date: 12月 4th, 2016
Cate: 平面バッフル
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「言葉」にとらわれて(その20)

平面バッフルから立体バッフル、
立体バッフルからホーンバッフルと書いてきて、
もう一度立体バッフルに戻っていこうとしている。

何をもってして立体バッフルとするのか。
その場合、平面バッフルとの違いはどういうことなのか。
そんなことを考えていた。

別項でも書いているが、世の中には同じことを考える人が三人はいるそうだ。
同時代に三人いるということは、時代を遡ればもっといるといえる。

立体バッフルということを考えた人も、おそらくいることだろう。
そう思い直して、過去のスピーカーシステムの技術を振り返って見ると、
サンスイのLMシリーズというブックシェルフ型スピーカーシステムのことが浮んできた。

1975年に登場したLMシリーズは、コーン型のウーファーとトゥイーターの2ウェイ仕様である。
LMという型番は、リニア・モーション(Linear Motion)から来ていて、
このシリーズ共通のトゥイーターの構造に由来している。

コーン型ウーファーとコーン型トゥイーターのシステムの場合、
ウーファーの振幅の煽りの影響からのがれるために、
トゥイーターにはバックキャビティが設けられる。

トゥイーター(スコーカーもふくめて)は、振動板の振幅がウーファーよりも小さいため、
バックキャビティの影響は、コーンの振動に対してはほとんどないものと考えられがちだが、
バッフルに取りつけただけのコーン型トゥイーターとバックキャビティのもつ場合とでは、
測定してみると、はっきりと差違が生じる。

サンスイはそのことに注目して、コーン型トゥイーターのバックキャビティにメスを入れた。
それがLMシリーズのトゥイーターのバッフル構造であり、
サンスイはマルチラジエーションバッフルと呼んでいた。

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