終のスピーカー(その5)
JBLのふたつのスピーカーシステム、
Harknessと4343。
Harknessは1960年代の開発、4343は1970年代後半の開発。
Harknessはコンシューマー用として、4343はスタジオモニターとして開発されている。
Harknessと4343の違いはいくつもある。
けれど、ともにJBlを代表するかっこいいスピーカーシステムなのだが、
Harknessはサランネットをつけた状態で、4343はサランネットをはずした状態で、
それぞれかっこいいスピーカーシステムであるところが、
私にとっては両者のいちばん大きな違いである。
4343と後継機の4344はエンクロージュアのサイズは同一、
サランネットをつけた状態では型番が記されている銘板を見ないかぎり、
どちらが4343で4344なのかは区別がつかない。
背面をみれば、入力端子の取付け位置の違いで区別はつくものの、
正面からではサランネットを外さないと4343と4344は同じであるけれど、
サランネットを外してみれば、両者の違いは歴然としていて、
4344を一度もかっこいいと私は思ったことがない。
ミッドバスが2121から2122に変更になり、
振動板の形状もコンケーブからセンターキャップがドーム状の一般的なコーン型の形状となったとはいえ、
搭載されているユニットの外観は、ほとんど4343と4344は同じといえる。
けれどユニットの配置、バスレフポートの配置、レベルコントロールの配置、
フロントバッフルが二分割になっているどうかの違い、
これらによって4343と4344の印象はまるで違うものになっている。
それだけに4343は音を鳴らす時はサランネットを外して聴きたくなる。