Date: 6月 1st, 2013
Cate: 終のスピーカー
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終のスピーカー(その3)

身銭を切って買うもの──、それがオーディオ機器であり、
手に入れるまでの苦労も、その人にとっての「音は人なり」となっていく──。

そうだとは思うし、そう思っている人も多いはず。
特に私よりも上の世代、
つまり五味先生の書かれたものを読んできた人にとっては。

五味先生は「オーディオマニアの五条件」のひとつとして、
金のない口惜しさを痛感していること、とあげられていて、
こう書かれている。
     *
貧しさを知らぬ人に、貧乏の口惜しさを味わっていない人にどうして、オーディオ愛好家の苦心して出す美などわかるものか。美しい音色が創り出せようか?
     *
ステレオサウンドから出ている「オーディオ巡礼」にも、これは載っているし、
私にとっての最初のオーディオの本「五味オーディオ教室」も載っている。
13の時に、だから読んでいた。

この五味先生の、金のない口惜しさを痛感していること、を表面的にだけ捉えている人からすれば、
今回の、私が「Harkness」を手に入れることは、
そんなんでいい音なんか出せっこない、ときっと言うに違いない。

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