終のスピーカー(その7)
JBLのコンシューマー用スピーカーシステムも、
L300の登場によって変化の兆しをみせた。
L200、L300はJBLのスタジオモニター、4320(4325)、4333のコンシューマー用モデルである。
L200、L300ともにフロンバッフルを傾斜させたエンクロージュアで、
袴をもつフロアー型システムである。
4320、4331、4333はフロアー型でアはあるものの、
スタジオでの実際使用条件を考慮したつくりなので、
ある程度の高さのあるスタンド、もしくは壁に埋めこんで、
やはりある程度の高さまで持ち上げることが求められる。
床に直置きして鳴らすことは考えられていないフロアー型スピーカーシステムである。
L200、L300はコンシューマー用だから、そのへんを考慮しているわけである。
L200は広告でもオーディオ雑誌の記事でもサランネットがついた状態で紹介されることが圧倒的に多かった。
L200のサランネットをはずした状態の姿をすぐに思い浮べられる人はそんなにいないと思う。
そのくらいサランネットをつけた状態の姿のいいスピーカーシステムである。
これがL300になると、サランネットをはずした状態の写真が多く見受けられた。
それでもL300はサランネットをつけた状態が、いいと思う。
4331がL200、4333がL300ならば、
4341のコンシューマー用にあたるL400。
これは誰もが想像したであろうモデルである。
ステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」で、
岩崎先生はL400がもうじき出る、と発言されているし、
サウンド誌1976年の6号の
「岩崎千明のグレート・ハンティング これだけは持ちたいコンポ・ベスト8(スピーカー編)」で、
L400について書かれている。
L400は想像・架空のモデルではない。
実際にJBLでは開発をすすめていた。
けれど登場することはなく、数年後、4ウェイのL250が登場した。