Date: 6月 14th, 2013
Cate: きく
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舌読という言葉を知り、「きく」についておもう(その1)

昨日、舌読ということばがあることを知った。
ハンセン病により視力を失い、
末梢神経麻痺により指先の感覚も失った人が、点字を舌で読むこと。
「舌読(ぜつどく」」ということばも知らなかったけれど、
想像したこともなかった。

舌読を知って、思い出したことがある。
手塚治虫の「ブラック・ジャック」のエピソードのひとつに、
そろばんの日本一を目差す少年の話がある。
ブラック・ジャックの手術により、少年は指でそろばんのこまをはじけるようになる。
けれど持久力が備わっていない腕では、決勝戦で戦えなくなってしまう。

そこで少年は、ブラック・ジャックによる手術を受ける前にやっていたこと、
舌でそろばんのこまをはじく。

点字を舌でなぞっていく、
そろばんのこまを舌ではじいていく、
想像を絶する、とはこういうことにつかう表現なのかもしない。

本に書かれていることを知るのであれば、
誰かに本を読んでもらえばいい。
いまではパソコンによる文章の読み上げもできる。
最新の読み上げのレベルが、どのくらいなのかしらないけれど、
ずいぶん進歩していることであろうし、これからも進歩していくものである。

活字がテキスト化(電子化)されていっている時代。
これから先もどんどんテキスト化されていく。

本が読めなくなっても、本の内容を知ることはできる時代になっていっている。
多くの本がそうなっていっている。
それでも舌読で、本を「読む」人はいる、とおもう。

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