Date: 5月 31st, 2013
Cate: 終のスピーカー
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終のスピーカー(その1)

人はいくつものスピーカーを鳴らすのか。

終のスピーカーがあれば、初のスピーカー(それとも始のスピーカーか)もある。
最初から、理想とするスピーカー、憧れのスピーカーを鳴らせる人もいることにいるだろう。
けれど、多くの人が、私もそうだったように、最初から理想や憧れのスピーカーという人はいない。

アンプやカートリッジを交換したり、使いこなしにあれこれ苦労しながら、
そのスピーカーを鳴らしていく。
ある時期がきたら、次のスピーカーに移ることもある。
長いつき合いのスピーカーもあれば短いつき合いのスピーカーもある。

スピーカーを手離す理由も、必ずしも次のステップとは限らない。
人にはいえぬ事情で手離すことだってある。

このスピーカーと添い遂げよう、とかたく決心していたとしても、
次の日に、スピーカーを買い替えることだってある。

終のスピーカーとは、だから言い切れないのがオーディオである。

にも関わらず、もうじき私のところにやって来るスピーカーは、終のスピーカーである。
いま住んでいるところから10kmも離れていないところに取りに行けば、
そのスピーカーは私のところにやって来る。

ほんとうはそのスピーカーが届いてから、これを書くつもりだった。
でも、はやる気持を、もう抑えられない。
だからこれを書いている。

「オーディオ彷徨」が復刊された日でもあるのだから。

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