Archive for category 1年の終りに……

Date: 12月 9th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その10)

昨年の「2019年をふりかえって(その1)」に、こんなことを書いている。
     *
あとどれだけ続けるのか(というか続くのか)は、
私自身にもわからない。

毎月やっていて、誰も来なくなったら終りにする。
一人でも来てくれるのであれば、続ける。
決めているのは、それだけである。

去年も書いているが、
来年もいまごろも、また同じことをきっと書いているだろう。
     *
一年前は、audio wednesdayがずっと続いていくものだ、と思っていた。
いつか終りが来るだろうけれど、それはまだずっと先とおもっていたわけだ。

その終りの年に、コーネッタを鳴らせたのは、ほんとうに良かった、とおもっている。

Date: 12月 9th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その9)

今年は、五味先生が亡くなられて四十年である。

「五味オーディオ教室」との出逢いがなくてもオーディオマニアにはなっていただろう。
でも、ずいぶん違うオーディオマニアになっていたかもしれない。

オーディオをやってきたことで知り合えた人たちがいる。
「五味オーディオ教室」と出逢ってなければ、
その人たちと知り合えなかったかもしれない。

Date: 12月 8th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その8)

もうじきステレオサウンドの冬号が書店に並ぶ。
特集はステレオサウンド・グランプリとベストバイである。

冬号が出る前に、今年登場した新製品で気になっているモノを挙げようかと考えた。
ステレオサウンド冬号の特集をみれば、
これもあったな、とか、これはよさそうだな、とは誰も思うだろうが、
冬号を目にすることなく、
つまり今年一年のオーディオ雑誌すべてを見ることなく、
今年一年をふり返って印象に残っている製品が、私にはあっただろうか。

今年はオーディオショウがなかったこともあって、
オーディオ雑誌を買わなくなってひさしい私は、
いくつかの新製品はすぐに思い出せるのが、
その思い出した製品が印象に残っているわけでもない。

今年はオーディオマニアの友人と会うことが、かなり少なかった。
ほとんど会っていない、といえる。

会えば、個々の製品について話すこともある。
それが今年はなかったことも、何があった(出てきた)のか、
ほとんど思い出せないことに関係しているのかもしれない。

なんとか一つ挙げるならば、KEFのLS50 Wireless IIである。
アンプ非搭載のLS50 Metaのほうが気になる、という人のほうが多いのかもしれないが、
私はこのスピーカーシステムに関しては、
アンプとD/Aコンバーターを搭載したLS50 Wireless IIの方に興味がある。

MQA対応でなければ、私もLS50 Metaだったろうが、そうではない。
それにTIDALも始めたいまとなっては、LS50 Metaよりも断然LS50 Wireless IIである。

Date: 12月 6th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その7)

ワディアから170 iTransportが登場したころ、あるオーディオ雑誌の編集長が、
「自分が編集長でいるあいだは、絶対にiPodを誌面に登場させない」──、
そう息巻いていた、というウワサをきいたことがある。

そういう人がいるのか、と思ってきいていた。
誰なのかもきいて知っているが、名前を出すこともなかろう。

一人のオーディオマニアとして、
自分のシステムにはiPodは絶対に導入しない、というのは、
その人の拘りとしてあってもいいと思う。
それはご自由に、である。

オーディオ評論家として、絶対にiPodをオーディオ機器としては認めない、も、
その人の拘りとしてあってもいいだろう。

でも、オーディオ雑誌の編集長としては、どうだろうか。
しかも外部にもれるように宣言する、というのもどうだろうか。

オーディオマニアとしての拘りを、オーディオ雑誌の編集長としての拘りとすることは、
読み手へのバイアスなのではないだろうか。

誌面で、iPodはオーディオ機器ではない、と宣言しているわけではないから、
あからさまなバイアスを読み手にかけているわけではない。
けれど宣言していないからこそ、隠れたバイアスともいえる。

拘りそのものが、バイアスである。

2020年は、コロナ禍によって、さまざまな変化が生じてきている。
オーディオの世界もそうであり、
バイアスから解放される方向へと舵を切る人、
バイアスをより深くかける方向へと突き進む人、
そんな流れも出てきているような気がしないでもない。

いまのところはまだはっきりとはいえない。
あと五年、十年経てば、より鮮明な違いとなって現れてくることを期待したい。

Date: 12月 5th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その6)

iPod、iPhoneを、きちんとしたオーディオシステムに接ぐことに、
特に抵抗感はなかった。
この一年、iPhoneで音楽を聴く時間が多くなって、そのことを再確認したともいえる。

とはいえ、iPhoneで聴くこと、
もっといえばパッケージメディア以外で音楽を聴くことに抵抗感、
そこまでいかなくとも躊躇している人もいるはずだ。

儀式を重視する人は、特にそうであろう。
おもむろにジャケットからLPを取り出して、
ヒゲをつけないように慎重にターンテープルの上におく。
盤面をクリーニングして、慎重にカートリッジを降ろす。
そしてボリュウムをあげてゆく──。

こういう一連の行動があってこそ、音楽を聴くという気構えが持てる人もいる。
それにいい音と利便性は両立しない、と主張する人もいる。

それ以外の理由で、パッケージメディアに拘る人はいるだろう。
でも、そういう人でも、今年はコロナ禍でオーディオショウのほとんどが中止になった。
そのかわりというわけではないが、
YouTubeでプレゼンテーションを行うところが、かなり出てきた。

オーディオ協会もそうだし、オーディオ店もやっている。
これまで個人で、自分のシステムの音をYouTubeで公開している人はけっこういたが、
それが今年はオーディオ関係者に広がってきている。

そうなると、これまで、こういうYouTubeの動画を見てこなかった人、
関心を持たなかった人も、ちょっとたけ見てみようかな、と思うようになるかもしれない。
たぶんいるはずだ。

どのくらいいるのかまでは調べようがないけれど、
YouTubeを通じて、オーディオ機器の音を聴くことに関心を持ち始めた人は、
昨年までよりも増えていよう。

関心をもっただけの人もいるだろうし、
関心をもって実際に聴いてみた人もいるだろう。
今年になってはじめて聴いた人のなかには、
ストリーミングで音楽を聴くことに抵抗感、もしくは避けてきた人もいるだろう。

でも実際に聴いてみることで、そういう抵抗感が薄れてきた人もいるのではないだろうか。
コロナ禍によって、TIDAL、mora qualitas、Amazon Music HDを試してみよう、
e-onkyoも試してみよう、という人が、少ないかもしれないが現れてきているに違いない──、
そう期待している。

Date: 12月 4th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その5)

iPhoneを、
自分のシステム、喫茶茶会記のシステムに接いで音楽を聴いている。

2008年にワディアから170 iTransportが登場した。
iPodの出力からデジタル信号を取り出して、SPDIFに変換するという機器だった。
つまりD/Dコンバーターである。

続いてゴールドムンドも同種の製品を発表した。
けれど、こちらはなぜか製品化されずに終ってしまった。
ダメになった理由は、はっきりとしたことは誰も知らないから、
いくつかのウワサが飛び交っていた。

どれがほんとうなのかはわからない。
そんなことはどうでもいいわけで、
同時期にワディアとゴールドムンドが、iPodをオーディオ機器として捉えていた事実だ。

オーディオマニアの知人も、このころ、iPodを複数台購入していた。
クラシック用、ジャズ用、ロック・ポップス用といったふうに使い分けるためである。

私はiPodと170 iTransportの実力がどのくらいなのか、聴く機会はなかった。
でも知人からは、興奮気味の電話がかかってきていた。
その後、170 iTransportは171へとヴァージョンアップしている。

私も興味はもっていた。ただD/Aコンバーターももっていなかったし、
デジタル出力が取り出せる世代のiPodも所有していなかった。
でも、いつかはやってみよう、と思っていたから、
七年くらい前だったか、170 iTransportを中古で手に入れていた。

でもD/Aコンバーターがなかったので、試すことはなかった。

そんなことがあったから、Matrix AudioのX-SPDIF2を眺めていると、
形状が170 iTransportに近いな、と思うし、
170 iTransportのように上部にiPhoneを挿し込めるようになっていればなぁ、とも思う。

Appleのライセンスの関係もあるだろうから、たぶん無理なのだろうけども。

iPhoneをトランスポートとして音楽を聴いていて、そんなことを思い出す一年でもあった。

Date: 11月 25th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その4)

今年はコロナ禍によって、オーディオショウのほとんどが中止になった。
中止が発表になった日に、twitterで検索してみると、
中止で悲しい、とか、来年に期待したい、とか、そういったツイートが表示された。

どのくらいの人が、オーディオショウの中止について、
なにか呟いているのかが気になって、数日、検索していた。

中止で悲しい、とか、来年に期待したい、と呟いていた人が、
続けて、なにかを呟いているのかと思えば、案外そうではなかった。
私が見た範囲では、ほとんどの人が、最初の呟きだけで、
その後は、まったく違うことを呟いていた。

そうだそうだ、twitterは、そういう呟きを書き留めておく場であるんだ、ということを、
再確認した一年だったような気がしている。

twitterがなかったころは、呟きは、呟いた本人でさえ、
どこかに書き留めてたりはしていなかったはずだ。
それが、いまではまったく違ってきている。

けっこうな数の人が、自身の呟きを書き留めるだけでなく、
不特定多数の人に向けて公開している。

日本では2011年3月11日から、twitterの存在感が急に増した。
そのころのツイートと、いまのツイートは、傾向が変ってきているようにも感じるのは、
この約十年間におけるスマートフォンの普及が関係しているのだろう。

パソコンからのツイートとスマートフォンからのツイート。
違ってこよう。

私も、あのころはMacからツイートしていた。
いまではほとんどツイートしなくなったが、たまのツイートはiPhoneからである。

スマートフォンは、パソコン以上にパーソナルコンピューターであるわけだ。
そんなiPhoneで、今年は多くの音楽を個人的に聴いてきたし、
audio wednesdayでは鳴らしてきた。

Date: 11月 15th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その3)

大塚久美子氏の経営手腕については、
かなりの人がさまざまなことを書いている。

すべてを読んでいるわけではない。
検索してまで、すべてを読むようなことはしていない。

目に入ってきた記事だけを読んできたわけだが、
それらのなかには、大塚久美子氏が家具が好きではないことに触れていた記事は一本もなかった。

そういうことは、経営について記事を書く人にとってはどうでもいいことなのだろうか。

私は経営の専門家ではないから、大塚久美子氏が家具が好きではないことが気になっていた。
すべての会社のトップが、その会社が扱っているものを好きなわけではないはずだ。

経営手腕が優れていれば、会社のトップとしてやっていけるものだろう。
それでも業種によっては、扱っているものへの感情は無視できないのかもしれない。

五年前、近くにいた大塚家具の社員の数人は、みな家具好きのようだった。
当時の大塚家具の社員みなが家具好きなのかどうかまではわからない。

けれど現場に出向いて仕事をしている社員の人たちは、家具好きなようである。
彼らはその後、どうしたのかは知らない。

大塚勝久氏があらたに創業した会社に移ったのかもしれない。
それとも別の会社に転職したかもしれない。
少なくとも、あのまま大塚家具で仕事をしているとは考えにくい。

大塚久美子氏が家具好きな人であったら、大塚家具の現状は大きく違っていたのか。
経営手腕が同じならば、そうかもしれないと思うし、
それでもダメだったのかもしれないが、どうなっていたであろうか。

大塚家具をみていると、オーディオの会社はどうだろう、とやはり思ってしまう。
今年は、特にそう思っていた。

Date: 11月 14th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その2)

すこし前に、大塚家具の大塚久美子社長が辞任する、というニュースがあった。

五年前の3月、大塚家具の株主総会があった日に、
たまたまなのだが、大塚家具の社員数人が近くにいた。

彼らは仕事中でも、携帯電話をしきりにみていた。
株主総会の行方が気になってのことだった。

結果が出て、彼らはみな驚いていた。
彼らは大塚勝久氏が勝つものだと信じていたようだった。

なので、これからどうなるんだろうか……、と不安顔でもあったし、
次の言葉が印象に残っている。

「久美ちゃん、家具、好きじゃないからなぁ……」
そう言っていた大塚家具の社員は、みた感じ30代ぐらいの女性だった。

大塚久美子氏は、五年前の時点では、社員から久美ちゃんと呼ばれていたようだ。
家具が好きじゃない人が、家具会社の社長になる。

このことを、ある人に話したところ、
その人は、
「大塚久美子氏は一橋大学を出て、MBAも持っている。これからの大塚家具は、だから伸びていく」、
自信満々で、私にそう言った。

そういうものだろうか、と思いながらきいていたけれど、
反論する気はなかった。
その人は、自分が正しい、といわんばかりだった。

その人の予想が外れたことはどうでもいいことであって、
家具が好きでない人が会社のトップに就く。

このことがあったから、五年前から、大塚家具のゆくえが気になっていた。

Date: 11月 8th, 2020
Cate: 1年の終りに……

2020年をふりかえって(その1)

2019年をふりかえって(その1)」で書いているが、
昨年以上に、今年は218のエヴァンジェリストでもあった。

audio wednesdayでは、218を使っていた。
2019年までの218と、いま鳴らしている218の音は、ずいぶん違っている。

昨年9月から自分のシステムで218を鳴らし始めた。
一年が経った。

別項で書いているように、何度か手を加えているからだ。
その218の音を聴いて、「私の218も」という人もいて、
その人たちの218にも手を加えてきた一年でもあった。

昨年の(その1)で、メリディアンの輸入元がオンキヨーに移ったことについて触れた。
どうなるんだろうか、と、おもった。

一年が経ち、どうなるんだろうか……、という心配は大きくなっていっている。
ほぼ一月に一回、オンキヨーのメリディアンのページにアクセスしていた。

たった一ページの告知があるだけで、ずっと変っていない。
今日(11月8日)現在、そのままである。
放ったらかしのまま、といえる。

Date: 12月 31st, 2019
Cate: 1年の終りに……

2019年の最後に

数日前に、10,000本目を書いた。
2008年9月から書き始めて、十年で10,000本書くつもりでいたが、
結局十一年と三ヵ月ほどかかった。

何の達成感もなかった。
そうだろうな、と思っていたが、ほんとうにそうだった。
だから、次の日には10,001本目を書き、また毎日書いている。

Date: 12月 31st, 2019
Cate: 1年の終りに……

2019年をふりかえって(その20)

しつこいくらいに書いているが、今年は私にとってMQAの一年だった。
9月中旬から、メリディアンの218で、毎日聴ける環境になった。

今日、大晦日何をしていたか、というと、
午前中は映画を観に行っていて、13時ごろに帰宅してからは、
MQAでマリア・カラスを聴いていた。

その後は、e-onkyoの検索。
e-onkyoの検索は、それほど精度が高いとはいえない面も感じている。
なので、今日は、ファイル形式をMQA、ジャンルをクラシックのみに絞って検索した。

演奏家の名前だけで検索していては見つけ出せないアルバムもあるからだ。
検索の結果はタイトル数2500以上あった。ページ数は128。
1ページ1ページ見ていった。

やはり、これも出ていたのか、というのが、いくつもあった。
めんどうだとさほど思わない。

昔は、シュワンやディアパソンといったレコードカタログを、
ときどき買っては丹念に眺めていたからだ。

インターネットには検索機能があるが、
便利なようでそうでない面も感じなくはない。

Date: 12月 31st, 2019
Cate: 1年の終りに……

2019年をふりかえって(その19)

このことは書くつもりはなかった。
けれど、昨晩、友人のAさんと食事をしていて、
マッキントッシュのことが話題になった。

私は、そのブログを読んでいないのだが、
Aさんが読んだ、マッキントッシュ・ユーザーのブログには、
購入してさほど経っていないアンプが故障してしまった、とあったそうだ。

やっぱり……、と残念ながら思わざるをえなかった。

2019年は、audio wednesdayで使っているマッキントッシュの製品に対して、
不信感が募った一年であった。

以前のマッキントッシュは違っていた。
その時点での最高性能を目指した製品ではないかわりに、
安心して使っていける信頼感が、しっかりとあった。

それがここ数年の製品からは失われつつある──、
というか失われている、といってもいい。

11月のaudio wednesdayでは、音を出している最中に、
突然プリメインアンプのMA7900の電源が、四回落ちてしまった。

再度電源スイッチを押せば、また問題なく使えるというものの、
音楽を聴いているのに、音が出なくなってしまうのは興醒めでもあるし、
不信感へとつながっていく。

CDプレーヤーのMCD350も、トレイに関して、不安定な動作をすることがある。
原因ははっきりしない。

いまのマッキントッシュの製品は、リモコン操作ができるように電子スイッチを多用している。
そのことと関係しているような気はする。
なんらかのノイズで誤動作しているようである。

おそらく修理に出しても、症状は再現できたりできなかったりするはずだ。
だからやっかいでもある。

とにかく昔のイメージで、マッキントッシュの製品は信頼性が高い、と思っている人は、
最近の製品では裏切られることもある、と心していたほうがいい。

Date: 12月 12th, 2019
Cate: 1年の終りに……

2019年をふりかえって(その18)

今年はいくつかの偶然が重なって、いまKEFのModel 303を鳴らしている。
アンプはサンスイのAU-D607、どちらも1980年ごろの製品。

このシステムに接いでいるのは、メリディアンの218である。
40年の隔たりがあるけれど、218によるMQAの音を303で鳴らしてみると、
本筋の音ということも考えると同時に、節度ある音ということも考える。

うまいこと鳴る、という表現がある。
そういいたくなる音がしてくる。

どこか際立ったところのある音ではない。
誰かに、どういう音なのかを伝える難しさを感じる。

過不足ない音といえばそうなのだが、
過不及ない音といったほうが、いいかもしれない。

こういう音が、なんなく出せる。
218のおかげかな、と思うし、40年間の進歩というものも感じる。
同時に、何が、どれだけ進歩したのだろうか、とも考えてしまう。

Date: 12月 11th, 2019
Cate: 1年の終りに……

2019年をふりかえって(その16)

Phile Webの記事で見逃せないのは、
《2020年はJBLモニタースピーカーが50周年を迎えることを受け、初代機にインスパイアされた、モニタースピーカーを計画している》
のところだ。

50年前のスタジオモニターは、おそらく4320のことだろう。
4320は1971年に登場している。

4320にインスパイアされたモデルとは、どういうモデルになるのだろうか。
2ウェイなのはまちがいない。
15インチ口径のウーファー・プラス・コンプレッションドライバーという構成のはすだ。

この形態ならば、すでに4367がある。
かなり高い完成度の2ウェイモデルであるから、
4320のインスパイアモデルは、4367とどう違うのか。

まさかとは思うが、音響レンズつきのホーンとなるのか。
それとも4367と同じ構成ながらも、
アピアランスが4320にインスパイアされたモデルなのか。

それもいいなぁ、と思っている。
4367のアピアランスは、往年の4300シリーズに憧れてきた世代にとっては、
どこか、なよっとしている──、とまではいわないが、それにちかいものを感じてしまう。

さらに《2021年にはスタジオモニターをさらに拡充する》とある。
4343、4350といった大型4ウェイの後継機なのだろうか。

とにかく妄想はどんどんひろがっていく。

一ヵ月前の記事を見逃していたおかげで、
12月もなかばごろになって、わくわくするようなニュースを知ることになった。