2020年をふりかえって(その5)
iPhoneを、
自分のシステム、喫茶茶会記のシステムに接いで音楽を聴いている。
2008年にワディアから170 iTransportが登場した。
iPodの出力からデジタル信号を取り出して、SPDIFに変換するという機器だった。
つまりD/Dコンバーターである。
続いてゴールドムンドも同種の製品を発表した。
けれど、こちらはなぜか製品化されずに終ってしまった。
ダメになった理由は、はっきりとしたことは誰も知らないから、
いくつかのウワサが飛び交っていた。
どれがほんとうなのかはわからない。
そんなことはどうでもいいわけで、
同時期にワディアとゴールドムンドが、iPodをオーディオ機器として捉えていた事実だ。
オーディオマニアの知人も、このころ、iPodを複数台購入していた。
クラシック用、ジャズ用、ロック・ポップス用といったふうに使い分けるためである。
私はiPodと170 iTransportの実力がどのくらいなのか、聴く機会はなかった。
でも知人からは、興奮気味の電話がかかってきていた。
その後、170 iTransportは171へとヴァージョンアップしている。
私も興味はもっていた。ただD/Aコンバーターももっていなかったし、
デジタル出力が取り出せる世代のiPodも所有していなかった。
でも、いつかはやってみよう、と思っていたから、
七年くらい前だったか、170 iTransportを中古で手に入れていた。
でもD/Aコンバーターがなかったので、試すことはなかった。
そんなことがあったから、Matrix AudioのX-SPDIF2を眺めていると、
形状が170 iTransportに近いな、と思うし、
170 iTransportのように上部にiPhoneを挿し込めるようになっていればなぁ、とも思う。
Appleのライセンスの関係もあるだろうから、たぶん無理なのだろうけども。
iPhoneをトランスポートとして音楽を聴いていて、そんなことを思い出す一年でもあった。