2020年をふりかえって(その15)
2020年で、いちばんのこととなると、やはりタンノイのコーネッタである。
「五味オーディオ教室」から四十四年目に、やっとタンノイである。
タンノイを自分のシステムとして鳴らす機会が、まったくなかったわけではないが、
これといった理由はないけれど、どこかタンノイを遠ざけていた。
憧れのスピーカーシステムとして、タンノイのオートグラフは、
私のなかでは、別格中の別格である。
憧れのスピーカーとしても、JBLの4343とオートグラフとでは、同じには語れない。
もうこのままタンノイを自分のシステムとして鳴らすことはないだろう、と思い始めていた。
タンノイの現在のラインナップに、欲しいと思える製品がないことも関係している。
いまのタンノイの方針からいっても、将来、
どうしても欲しいと思うようになるモデルが登場するとは考えにくい。
だからといって、オートグラフの中古をさがそうとは、まったく考えていなかった。
タンノイは憧れのままなのか。
そんなふうにも思い始めたころに、ヤフオク!にコーネッタが表示された。
コーネッタを検索していたわけでもないのに、唐突に表示された。
別項で書いているので省略するが、思わぬ安価で落札できた。
7月から12月までの六回、
喫茶茶会記でのaudio wednesdayは、コーネッタを鳴らした。
毎回五時間から六時間ほど鳴らしていた。
それが六回だから、三十時間ちょっと鳴らしていたことになる。
半年で、これだけなのだから、短い。
でも、7月に鳴らした音と12月に鳴らした音は、変化も大きい。
毎日鳴らすようになれば、もっと変化していくことだろう。