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Date: 1月 21st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第一夜・コンデンサー型スピーカーへの憧れ(その1)

コンデンサー型スピーカーに、いちどは憧れるものだろう。
私はそうだった。

オーディオに興味を持ち始めたころ、
コンデンサー型スピーカーといえばQUADのESLとスタックスの製品ぐらいだった。
その少しあとに、アメリカからアクースタットが登場した。

コンデンサー型スピーカーの動作原理以上に、
コンデンサー型スピーカーに惹かれたのは、その音だった。

とはいえ当時、すぐにコンデンサー型スピーカーの音を聴けたわけではない。
あくまでもオーディオ雑誌に載るコンデンサー型スピーカーの評価を読んでのものだった。

ステレオサウンド 43号で、瀬川先生はこう書かれていた。
     *
 いまのところは置き場所がないから考えないが、もしも製造中止になるというような噂をチラとでも耳にしたら、すぐにでもひと組購入するぞ、と宣言してある。部屋や置き方や組み合わせなど条件を整えて聴くときのQUAD・ESLのみずみずしい音質は実にチャーミングだ。最適位置にぴたりと坐ったが最後、眼前に展開する一種独特のクリアーな音像の魅力から抜け出すことが難しくなる。このデザインの似合う部屋が欲しい!
     *
当時読んだESL評のすべてを引用はしないが、他にもいくつもあって、
そのどれもがESLならではの魅力を伝えてくれていた。

いったいどんな音なのか。その音を想像するだけで楽しかった。
けれど、なかなか聴く機会は得られなかった。

Date: 1月 21st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第一夜・コンデンサー型スピーカーで聴く

2月7日のaudio wednesday (next decade) – 第一夜では、
サウンドラボのコンデンサー型スピーカーを鳴らす予定だ。
まだ確定ではないため、直前になって変更(別のスピーカー)になる場合もあるが、
いまのところMajesticシリーズの645か745のどちらかだ。

野口晴哉氏のリスニングルームには、いまもスタックスのESS6Aが置いてある。
1976年に出た「世界のステレオ」に掲載された写真には、QUADのESLも写っている。
それにスタックスのヘッドフォンもある。

コンデンサー型スピーカーの音に、惹かれるものを感じておられたのだろうから、
audio wednesdayで、一度はコンデンサー型スピーカーを鳴らしてみたい、と考えていた。

意外にもその機会は早く訪れそうだ。
詳細は確定してからになるが、今回はストリーミングではなく、SACDを中心に鳴らすつもりだ。

Date: 1月 16th, 2024
Cate: MERIDIAN

メリディアン DSP3200のこと(その2)

メリディアンのDSP3200のサランネットは、
トゥイーター、ウーファーぞれぞれについていることもあって、円の形をしている。

この状態のDSP3200を、何も知らずに見れば、
小口径ウーファーとドーム型トゥイーターによる2ウェイだと思いがちである。

実際は16cm口径のウーファーと8cm口径のトゥイーターであり、
この口径からも推測できるように、どちらもコーン型ユニットとなっている。

同サイズの他のスピーカーシステムとは、この点が大きく違うところであり、
DSP3200の特徴ともいえる。

トゥイーターというよりも、小口径フルレンジにウーファーを足したかっこうである。
だから岩崎先生の文章を思い出したわけだ。

8cmのフルレンジユニットの振動板はアルミである。
といってもカチカチのアルミ振動板ではない。

メリディアンのウェブサイトをみても、クロスオーバー周波数は発表されていない。
同サイズのコーン型ウーファーとドーム型トゥイーターのスピーカーシステムでは、
数kHzあたりに設定されているが、DSP3200ではおそらくかなり低いクロスオーバー周波数のはずだ。

しかもDSP3200はアクティヴ型であり、
このユニット構成のメリットを最大限に活かしている、と私は捉えている。

Date: 1月 16th, 2024
Cate: audio wednesday, ディスク/ブック

Biko [Live At Blossom Music Centre, Cleveland](その2)

1月10日のaudio wednesdayでの一曲目は、
“Biko [Live At Blossom Music Centre, Cleveland]”。

ピーター・ガブリエルの“Biko”は、いくつかの録音がある。
三枚目のアルバムに収められているスタジオ録音、そのドイツ語版、
リミックスもある。ライヴ録音もいくつかある。

今回かけたクリーヴランドでのライヴは、1987年7月27日のものだ。

この曲をにしたのかについて詳しくは書かないが、
ガザの惨状がなければ別の曲を選んでいた。

Date: 1月 14th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜を終えて(その2)

そんなふうに鳴らしてみたいスピーカーを頭のなかに挙げながら、
もうひとつ考えていたのは、瀬川先生の砧のリスニングルームの響きのことだ。

部屋のプロポーションは違うし、洋室と和室という違いもある。
私は、瀬川先生の自宅の音を聴くことは叶わなかった。
だから想像するしかないのだが、
おそらく余韻の美しさということでは共通するところがあったのではないのか。

部屋の印象としてのスペクトラムはおそらく違うのだろうが、
どちらも余韻は美しいはず、とおもっている。

1月10日は瀬川先生の誕生日でもあった。
なのでバルバラもかけた。
ヨッフムのモーツァルトのレクィエムもかけた。
モーツァルト生誕200年、1955年のライヴ録音である。

冒頭に鐘の音が入っている盤であり、これもTIDALで聴くことができる。
残念なことにMQAではないけれど。

聴いていると(鳴らしていると)、あれこれおもってしまう。
ここで、瀬川先生がお好きだったスピーカーを鳴らしてみたい。

実現するのはたいへんだし、もしかすると一つも実現できないかもしれないが、
とにかくこの空間で一年間(十二回)、鳴らしていけるのは大きな楽しみである。

Date: 1月 14th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜を終えて(その1)

1月10日の序夜の場となったのは、野口整体の稽古場である。
野口晴哉氏のリスニングルームの隣にあるこの空間は、
もともとはリビングルームで洋室だった、とのこと。
いまは畳を敷いて和室となっている。

昨年、何度か訪れていたので、この稽古場(和室)の響きの良さはなんとなく感じていた。
デッドではなくライヴなのだ。

このことはいいのだけれど、部屋のプロポーションとしては横に長い。
こういうプロポーションの部屋だと、多くの人が縦長に使うことだろう。
短辺側にスピーカーを配置すると思う。

けれど私は最初から横長で使う、と決めていた。
前列の人は、かなりスピーカーと近距離になるけれど、
左右のスピーカーの間隔は拡げたい。

このことに迷いはなかったけれど、
それでも実際に鳴らしてみないことには音だけはわからない。
どうしようもない音がしてきたら、縦長に使うことも考えてはいた。

あとひとつ。
音を鳴らしてみないとなんともいえないのが、畳である。
いい畳なのは歩いた感触でわかっていた。
それでも畳だ。がっしりした木の床ほどの期待はできないようにも思っていた。

それでも実際にメリディアンのDSP3200を持ち込んで鳴らしてみると、
そんな心配は微塵も感じなかった。
横長で正解だと思ったし、畳に関してもDSP3200を設置していて、
ほんとうにいい畳だと感じていた。

中身がぎっしりとしている、といったらいいのか。
中途半端なフローリングの床よりも安定して設置できた。

そうやって鳴ってきた音は、ほんとうに響きが美しかった。
特に余韻が美しい。音が鳴りやむ、とはこういうことなのだと実感していた。

これまでもリスニングルームとして設計され建てられた、いくつかの空間で音を聴いている。
それでも、余韻が美しいと感じたことは残念なことになかった。

だから、余韻の美しさに驚いていた。
その美しい余韻によって、聴いた音楽はよけいに耳に、心にのこる。

この空間ならば──、とおもっていた。
今回はメリディアンのDSP3200だった。
できればもう一度DSP3200を鳴らしてみたい、と思っているのは、
今回ネットワーク(インターネット)関係の小さなトラブルで、
安定するのに時間を費やしていて、開場時間ぎりぎりまでかかってしまった。

そのためチューニング的なことはいっさいやっていない。
ACの極性もまったくチェックしていないから、
もう一度鳴らせる機会があるのなら、もっとよく鳴らせるからだ。

DSP32000の他にも鳴らしてみたいスピーカーが、音を聴いていると浮んでくる。
やはりジャーマン・フィジックスのスピーカーは鳴らしたい。

BBCモニター系列のスピーカーも、響きの美しさによりいっそう磨きがかかることだろう。
それにJBLの4320、4343といったスタジオモニターも、
この部屋の響き、余韻の美しさに助けられて、かなりいい感じで鳴ってくれそうだ。

Date: 1月 14th, 2024
Cate: MERIDIAN

メリディアン DSP3200のこと(その1)

三年ぶりに再開したaudio wednesdayでの音出し。
1月10日の序夜では、メリディアンのDSP3200を鳴らした。

DSP3200を聴く(鳴らす)のは、今回で二回目。
9月に一度聴いている。
この時も、自分でセッティングして、その音を聴いている。

そして今回。
部屋は大きく違っている。
造りも大きさも、ずいぶん違う。

今回のほうが広い。天井もかなり高い。
容積的に、DSP3200で大丈夫だろうか……、とちょっと心配もしていた。

DSP3200は小型の2ウェイである。
小型スピーカーといっても、
LS3/5Aの時代とはずいぶん鳴り方が進歩している面があるのはわかっているといっても、
今回の部屋は、かなり大きい。
そこに十人以上の人が入ったら──、そんなふうにいくつかのことを心配していた。

2020年まで、喫茶茶会記でやっていたころは、
菅野先生録音の「THE DIALOGUE」をかけていた。

9月に聴いた印象では、「THE DIALOGUE」はちょっと無理かな、と思っていた。
なので鳴らすことはなかったのだが、これは鳴らせるな、と考えを改めた。
そのくらいDSP3200の鳴りが違っていた。

DSP3200のユニット構成は、いわゆる小型2ウェイのモデルとはちょっと違う。
そこで思い出すのは、岩崎先生がステレオサウンド 35号に書かれていることだ。
     *
 これをフルレンジとしてまず使い、次なるステップでウーファーを追加し、最後に高音用を加えて3ウェイとして完成、という道を拓いてくれるのが何よりも大きな魅力だ。
     *
パイオニアのPM12Fについての文章である。
コーン型のスコーカーであり、いわば小口径フルレンジともいえるユニットである。

Date: 1月 11th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第一夜

audio wednesday (next decade) – 第一夜は、2月7日である。
時間、場所は1月と同じ。

テーマはまだ決めていない。
来週末には決っている(はず)。

Date: 1月 11th, 2024
Cate: High Resolution

MQAのこれから(とTIDAL・その14)

どこの国のアカウントをつくるか。
TIDALで契約する際に迷ったことのひとつだ。

私はアメリカのアカウントだけれど、料金は国によって違ってくる。
アメリカよりも安い国はいくつかあった。

けれどウワサではあったけれど、国によって料金も違えば、
配信されているアルバム、曲にも違いがある、となんどか目にしていた。

とはいえ事前にそのことを確かめることはできない。
クラシックを主に聴くからヨーロッパの国のどこかがいいのか、
それともやはりアメリカなのか。

アメリカでつくったわけだが、
それから三年、やはりウワサは、それからも目にすることがあった。

とはいえ、自分の目で確認していたわけではない。
ほんとうなのか。

昨晩のaudio wednesday (next decade)では、イギリスのアカウントだった。
じっくりと時間をかけて比較したわけではないが、短い時間でも、
私が好んで聴く音楽の範囲でも、はっきりと違いがあった。

どちらがいいとはいえない。
いえるのは、できれば違う国のアカウントを二つ持つことである。

Date: 1月 11th, 2024
Cate: ディスク/ブック

“盤鬼”西条卓夫随想録(その後・達成)

「“盤鬼”西条卓夫随想録」のクラウドファンディング、残り一日で目標金額を達成している。

もしかすると……、と思ったこともあったけれど、来月には手元に届く。

Date: 1月 9th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜(いよいよ明日)

いよいよ明日(1月10日)は、音を鳴らすaudio wednesdayである。
2020年12月の回で喫茶茶会記でのaudio wednesdayは終った。

2021年は、いまもaudio wednesdayをやっていたら、
今回のテーマはこれだな──、そんなことを思っていた。
思っていても、そういう場がなければなんともしようがない。

2022年9月に、とにかく再開しよう。
場所はなくても、集まりたい人だけでもいいから集まって食事でもしよう、
ということで始めたものの、ふたたび音を出せる環境に巡りあえるとは、ほとんど思っていなかった。

2022年の後半ごろから、今回のテーマは──、なんてことも次第に考えなくなっていた。
そこに「うちでやりませんか」という申し出があった。

三年と一ヵ月ぶりに、音を出すことができる。
いま、とてもわくわくしている。

前回の「選曲について」で書いているように、
カザルスのバッハの無伴奏を最後に鳴らす。
最初に鳴らす曲も、すでに決めている。

誰のどの曲なのかは明かさない。

鳴らすスピーカーシステムはメリディアンのアクティヴ型のDSP3200である。
TIDALでMQAを中心に鳴らしていく。
鳴らす場は、野口晴哉記念音楽室となりの和室である。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

野口晴哉記念音楽室の住所は、
東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2500円いただく(ワンドリンク付き)。

Date: 1月 1st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜・選曲について

1月10日の序夜。
どんな曲をかけるのか。

2016年から2020年までの五年間、
四谷三丁目にあった喫茶茶会記でのaudio wednesdayでの音出しとは、
同じではないことを、昨年末考えていた。

音楽を聴くこと。
それもオーディオを介して聴くという行為は、まず選曲から始まる、といっていい。
ラジオから流れてくる曲をただ何も考えずに聴くのもありなのだが、
オーディオマニアとしてオーディオを介して音楽を聴くということは、
ストリーミングにしても、CDにしてもアナログディスクにしても、
なにをかけるのかを、まず選ぶ必要がある。

音楽を選ぶということが、2023年の世界の状況が影響を与えてきている。
そのことを実感しないで、音楽を選ぶことができるのだろうか──。
そんなことを12月は考えていた。

1985年に、レナード・バーンスタインがイスラエル・フィルハーモニーと来日した。
その公演に私は行っている。

NHKホールに近づくと、いつものクラシックのコンサートとは雰囲気が違っていた。
NHKホールの周りに、抗議団体がいた。
イスラエル・フィルハーモニーに対しての、
つまりはイスラエルに対しての抗議だった。

その時は、なんと無粋な、と思っていたことを白状しよう。
パレスチナのことは、もちろん知識として知ってはいても、
バーンスタインの演奏を楽しみにしていた者としては、
何もこんなところで──、と思ってしまった。

それから四十年近くが経って、もうそんなふうにはおもえなくなってしまっている。

序夜で最後にかけるのは、カザルスのバッハの無伴奏だとすでに決めている。
では最初の曲は、何にするのか。

Date: 12月 30th, 2023
Cate: 1年の終りに……

2023年をふりかえって(その6)

オーディオアクセサリー 191号、ステレオサウンド 229号、
どちらも特集は賞で、オーラのプリメインアンプVA40 rebirthが選ばれている。

オーディオアクセサリーでは表紙を飾っている。
いい製品なのだろう。

オリジナルのVA40が登場した時、私はすでにステレオサウンドを離れていた。
VA40を聴いたのは、早瀬文雄(舘一男)氏の部屋だった。

そのころの彼は自宅を建て直して、そうとうに広いリスニングルームを持っていた。
そこで聴いたわけではない。
自宅近くに、アパートを借りていた。
結婚して子供が生れて、一人で静かに原稿書きに集中したいためだ、と言っていた。

一度だけそこに行ったことがある。
スピーカーはJBLの4312だった。
現行製品の4312とは違い、このころまでの4312は4310、4311の流れをくんで、
ウーファーにはネットワークが介在しない構成だ。

この方式のよさもあれば悪さもあるから、
現行の4312よりも、この時代の4312の方がいい──、とは言い難いものの、
ネットワークの介在しない4312を鳴らしていたのが、VA40だった。
CDプレーヤーははっきりと憶えていないが、ビクターのXL-Z505だった。

そんなに長い時間聴いていたわけではないが、この時の音は印象に残っている。
木造のアパートだから、音量は控えめだ。

そういう音量だからこそ、4312の構成とVA40が互いにうまく相手のよさを抽き出していたのだろう。
舘さんの音は、いくつも聴いてきている。
そのなかで、印象に残っているのはダリのSkyline 2000の音と、4312とVA40の音である。

Date: 12月 23rd, 2023
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 序夜

1月10日のaudio wednesday (next decade) – 序夜。
これまでaudio wednesdayは、毎月第一水曜日に行ってきた。
あたりまえすぎることなのだが、1月10日が第一水曜日になることはない。

2024年は1月10日に行う。
私にとっては、この日にあらためてaudio wednesdayをやれるのは、特別なことである。
1月10日は、瀬川先生の誕生日である。

その日に、音出しをふたたび行えるようになる。
この嬉しさは、わかってもらえなくていい。
私だけのものなのだから。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時。

開場を早くしているのは、音を鳴らし始めるとあまり話す時間もとれないからだ。
質問や説明などは、18時から19時までのあいだにお願いしたい。

野口晴哉記念音楽室の住所は、
東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

2500円(ワンドリンク付き)だが、大学生以下は無料。

Date: 12月 19th, 2023
Cate: オーディオマニア

五条件(その6)

先週の土曜日に、audio sharingの忘年会を行った。
参加された方の一人、Kさんが「孤独な鳥の条件」のことを話された。

この項の(その5)で、「孤独な鳥の条件」を引用している。
     *
孤独な鳥の条件は五つある

第一に孤独な鳥は最も高いところを飛ぶ
第二に孤独な鳥は同伴者にわずらわされずその同類にさえわずらわされない
第三に孤独な鳥は嘴を空に向ける
第四に孤独な鳥ははっきりした色をもたない
第五に孤独な鳥は非常にやさしくうたう
     *
16世紀スペインの神秘主義詩人、サン・フアン・デ・ラ・クルスの詩である。

(その5)は、2017年9月に公開している。
書いている私は、もちろん憶えているけれど、
そんなこと書いてあったっけ? と読み手側はそんな感じだろう。

それでも、Kさんははっきりと憶えてくれている。
そして、孤独な鳥をめざしている、ともいわれた。

孤独な鳥になんてなりたくない──、
そう思うオーディオマニアもいていい。

ただ、いまのステレオサウンドは孤独な鳥のための雑誌では、とっくになくなっている。