ベートーヴェンの「第九」(audio wednesdayと第九)
二百年前の5月7日、ベートーヴェンの第九の初演が行われている。
5月1日のaudio wednesdayでは、第九をかけた。
誰の指揮による演奏を選ぶのか、
一楽章から終楽章まですべてかけるわけにはいかないから、
何楽章をかけるのか、
スピーカーはJBLのユニットによる757Aレプリカだから、
うまく第九がかかってくれるだろうか──、
そんなことをなんとなく思いながら当日を迎えていた。
プログラムソースがCDだけならば、あらかじめ決めておくしかないが、
TIDALも使うということは、ぎりぎりまで決めてなくてもすむ。
直前にかけたいとおもった第九にすればいい。
757Aレプリカの音を聴きながら、すこしずつ絞っていっていた。
直前まで私のなかで候補として残っていたのは、二つ。
どちらもかけたい気持は強かったけれど、
ジュリーニ/ベルリンフィルハーモニーによる第九を、結局は選んだ。
もう一つは、ライナー/シカゴ交響楽団による第九だ。
どちらも思い入れがある。
喫茶茶会記でも、第九をかけたとき、やはりジュリーニだった。
私は、ジュリーニの第九がどうしようもなく好きなようだ。
これが最高の第九の演奏かと問われれば、
けっしてそうではない、とこたえるけど、私にとって特別な第九である。
最高とか完璧とか、そういうことを何かを求めようとは、いつしか思わなくなっている。
特別ながあれば、それでいいというより、それがいい。
「特別」を持つことなく、最高やら完璧を求めていくのは、その人の勝手だ。