Author Archive

Date: 10月 8th, 2020
Cate: audio wednesday

DJ:Mike Nogami & Rieko Akatsuka’s Playlist

10月7日、audio wednesday(music wednesday)での、
野上眞宏さんと赤塚りえ子さんによるプレイリスト。
(基本的に表記はShazamに従っている)

[野上さん選曲]
Give Up Or Let Me Go/Bonnie Raitt
Mr. Soul/Buffalo Springfield
機関車/小坂 忠
Southern Man/Crosby & Stills & Nash & Young
Bara to yajyu(new ver.)/細野晴臣
Riot In lagos/坂本龍一
Snatch It Back And Hold It/ジュニア・ウェルズ
クライ・ミー・ア・リヴァー/Julie London
エリック・サティの主題による変奏曲/ブラッド・スウェット & ティアーズ
微笑みの研究/ブラッド・スウェット & ティアーズ
Help Me/ジョニ・ミッチェル
Disney Girls(1957)/ビーチ・ボーイズ
バット・ノット・フォー・ミー/チェット・ベイカー

[赤塚さん選曲]
Goya Kur/Ali Farka Touré
Chet Boghassa/Tinariwen
Ai Bine/Ali Farka Touré
Soudani/Nour Eddine
Eghass Malan/les Filles De Illighadad
Sel/Smadj
Ya Racha Fattan/Amina Alaoui
Magat Milkitna Dulaa/Mariem Hassan
Taguerebet/Gaada Diwane De Bechar
Mustt Mustt(Extended)/Kiran Ahluwalia
Sid Redad/Fadoul
Villa Donde/King Coya

[野上さん選曲]
将門(幕開き・夫れ五行子〜立ち姿)/常磐津節
かくれんぼ/はっぴいえんど
Sol/Julian Wassermann
introduction/ワールドスタンダード
Good Red Road/ワールドスタンダード
Fortification/Acronym
ヴィーナス/ショッキング・ブルー
ロック・ロブスター/THE B-52’s
The Steam Packet/Mcleod’s Reel/Paddy Keenan
綱渡り/吉田美奈子
ビリー・ジーン/Michael Jackson
Family Affair(A Cappella)/メアリー・J.ブライジ
What’s Going On/マーヴィン・ゲイ

[赤塚さん選曲]
Zoot Kook/サンディー
Hong Kong Night View/VIDEOTAPEMUSIC
Quiet Village(Synthesizer Version)/Martin Denny
Forever/Pete Drake
Gathering Dust/Roger 23
Middle Of Nowhere/X.Y.R.

[野上さん選曲]
シムーン/Yellow Magic Orchestra
On The Maginot Line/Heuristics Inc.
“Sayonara” The Japanese Farewell Song/ティン・パン・アレー
Berlin (Original Mix)/Tassilo Hagström
Thank U/david Amo & Julio Navas

これらの曲の他に会が始まる前に、
イースト・オブ・サン/Billie Holiday
Serious/ダフィー
1234/ファイスト
I’ve Got A Crush On You/フランク・シナトラとリンダ・ロンシュタットを交互に
聴いている

Date: 10月 7th, 2020
Cate: audio wednesday

第117回audio wednesdayのお知らせ(Bird 100)

11月4日のaudio wednesdayのテーマは、Bird 100。

チャーリー・パーカー生誕100年である。
喫茶茶会記はジャズ喫茶だから、
一度くらいはジャズ喫茶らしいテーマでやろうと思う。

なので「Bird 100」である。チャーリー・パーカーを中心にかけていくわけだが、
チャーリー・パーカーだけでなく、ビリー・ホリディ、チェット・ベイカーもかける。

これでどういう意図なのかわかってもらえるはずだ。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

19時開始です。

Date: 10月 7th, 2020
Cate: オーディオ評論

オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(あるオーディオ評論家のこと・その6)

ここまで書いてきて、五年前に別項に書いたことを思い出す。
菅野先生が、ステレオサウンド別冊「JBLモニター研究」で、次のように書かれている。
     *
 そしてその後、中高域にホーンドライバーを持つ4ウェイという大がかりなシステムでありながら、JBL4343というスピーカーシステムが、プロのモニターシステムとしてではなく、日本のコンシューマー市場で空前のベストセラーとなった現象は、わが国の20世紀後半のオーディオ文化を分析する、歴史的、文化的、そして商業的に重要な材料だと思っている。ここでは本論から外れるから詳しくは触れないが、この問題を多面的に正確に把握することは、現在から近未来にかけてのオーディオ界の分析と展望に大いに役立つはずである。
     *
1998年に書かれている。
4343に憧れてきたひとりとしても、そのとおりだと思う。

けれど残念なことに、いまのステレオサウンドの筆者の誰か一人でもいいから、
4343という材料(問題)を、多面的に正確に把握できる人はいるだろうか。

こういうことを書くと、柳沢功力氏がいるではないか、という人が出てくる。
私は柳沢功力氏には無理だ、と思う。

では、誰がいるか。
誰もいないのが、ステレオサウンドの現状だ。

傅 信幸氏も無理である。
傅 信幸氏よりも和田博巳氏のほうが年上だが、和田博巳氏はもっと無理である。

三浦孝仁氏は、
ずっと以前の記事「名作4343を現代に甦らせる」の試聴記を引き受けていることから、
絶対に無理。

別項で、月刊ステレオサウンドを出すべき、と書いている理由の一つが、
このことに関係してくる。

すべての筆者に、4343という材料(問題)をテーマに、
まとまった量の文章を書かせればいい、と思うからだ。

Date: 10月 6th, 2020
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(post-truth・その9)

その個人サイトの主宰者は、私よりもひとまわりくらい若かったはずだ。
マスコミ関係ということも、自身のサイトのプロフィール欄に、会社名があった。

誰もが知る、大手のマスコミである。
さらにそのころ、あるオーディオ雑誌に執筆もしていた。

でも二号ぐらいで、それ以降は、その人の名前は目にしなくなった。
前後してサイトも閉じられたようだ。

何があったのかは知らない。
本業が忙しくなっただけなのかもしれない。
副業が認められない会社だったのかもしれない。

何がいいたいのかというと、その人は、おそらく有名大学を卒業して、
大手マスコミに就職。その人の文章は破綻のない、きちんとしたものだった。
そういう人でも、間違った情報を信じてしまっている、ということである。

自分が信用している人のいっていることを、どこまでも信用するという姿勢は、
ある意味立派といえるけれど、少なくとも二人の第三者が違っている、と指摘したことを、
自分で調べることなく、信用している人のいっていることだから、を譲らない。

どんな人にも記憶違いや間違いはあるはずなのにだ。

マスコミ関係といっても、検証することが強く求められている会社のはずだ。
そういう会社に勤務していても、仕事では検証、再検証されていたのかもしれないが、
趣味の分野となると、そうではなくなるのだろうか。

趣味だから、個人の勝手、自由だろう、と開き直ることもできる。
けれど、その人は短期間とはいえ、オーディオ雑誌に執筆していた。

ニュースで、いろんな詐欺事件のことが流れてくる。
なかには、こういう詐欺に騙される人がいるのか、と思うこともあるけれど、
案外、意外なところで人は騙されてしまうのかもしれない。

その人に、A80のことを話した人に騙すつもりはなかったはずだ。
でも結果としてウソを教えていることになり、
そのウソをひたすら信じ込んでいる人がいた、ということ。

こんなことはどうでもいいことなのだろうか。
このことは、たまたま知っているだけなのだが、
こういう事例は意外にも多いのではないだろうか。

Date: 10月 6th, 2020
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(post-truth・その8)

そういえば、と思い出したことがひとつある。
インターネットを始めて二年くらいの時だったか、
まだaudio sharingをつくる前のことだったから、1998年か99年のころだったはずだ。

それまで少なかったオーディオの個人サイトも増え始めてきた。
そのころは、そういった個人サイトを見てまわるのが楽しみだった。

facebookもtwitter、ブログもまだだったころの話だ。
そのころの個人サイトの多くには掲示板が設けられていることも、また多かった。

ある個人サイトを見つけた。
マスコミ関係の人が公開していたサイト(いまはなくなっている)で、
個人サイトにしては、きちんとつくられた感じがしていた。

ここにも掲示板はあった。
そこでスチューダーのA80のことが話題になっていた。

その個人サイトの主宰者は、A80のエレクトロニクス関係は、
マーク・レヴィンソンによる設計だ、と書いていた。

スチューダーのA80と、
A80のトランスポートを利用して、エレクトロニクスをつくりかえたマークレビンソンのML5とが、
完全にごっちゃになっての記述だった。

気になったので、ML5のことを説明しておいた。
すると、そんなことはない、あなたが間違っている、という返事が、主宰者からあった。
なんでも、その人がもっとも信用しているオーディオに詳しい人が教えてくれたから、
というのが、その人の主張だった。

別の方が、主宰者がいっているのはML5のことですよ、と書き込まれた。
それでも主宰者は、A80のエレクトロニクスはマーク・レヴィンソンの設計だ、と譲らない。

しかもマーク・レヴィンソンはエンジニアではない、と説明してもだ。
これ以上書いても時間のムダ、と判断して、書き込むことはやめた。
一週間ほどして、どうなったのかなぁ、その人が信用している人に確認したのかも、
と思ってのぞいてみたら、
私と、ML5ですよ、いっていた人の書き込みが削除されていた。

Date: 10月 6th, 2020
Cate: audio wednesday

第116回audio wednesdayのお知らせ(music wednesday)

明日(10月7日)のaudio wednesdayは、
野上眞宏さんと赤塚りえ子さん、二人のDJによるmusic wednesdayである。

2019年12月のaudio wednesdayは、野上さんにDJをやってもらった。
野上さんも、聴いていた人たちも私も、みな楽しんでいた。
その時に、またやりましょう、ということになった。
今回は、そこに赤塚さんにもDJをお願いした。

野上さんと赤塚さんの音楽の接し方は、私とはずいぶん違う。
違うからこそ、お願いしたわけだし、個人的にも楽しみなわけだ。

野上さん、赤塚さん、それぞれノート型パソコンを持ってこられる。
D/Aコンバーターは、いうまでもなくメリディアンの218。
アンプはマッキントッシュ。
スピーカーは、まだどちらにするか決めていない。

当日、喫茶茶会記に着いて決めようと思っている。

場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。

19時開始です。

Date: 10月 5th, 2020
Cate: 老い

老いとオーディオ(とステレオサウンド・その9)

七年前に「石岡瑛子氏の言葉」を書いている。
スイングジャーナル 1979年1月号に新春特別座談会として、
「ジャズを撮る」というタイトルで、石岡瑛子氏、操上和美氏、内藤忠行氏、武市好古氏らが、
映像の世界から見た、ジャズという素材について語っている中から、
石岡瑛子氏の発言を引用している。
     *
スイングジャーナルは自身で発想の転換を時代の波の中でやっていかなければならない。ゴリゴリのジャズ・ファン以外にもアピールする魅力を持たなければ表現がいつか時代から離れていってしまうでしょう。ジャズというフィールドを10年も20年も前のジャズの概念できめつけているのね。今の若い人たちの間で、ビジュアルなものに対する嗅覚、視覚といったものがすごい勢いで発達している今日、そういう人にとって、今のジャズ雑誌はそれ程ラディカルなものではありません。スイングジャーナルという雑誌の中で映像表現者が果せる力って大きいと想うし、時代から言って必要なパワーなのですね。時代の波の中で、読者に先端的なものを示し、常に問題提起を続ける。それを読者が敏感に感じとってキャッチ・ボールを続けるうちに、誌面はもっとビビッドなものになり得るんじゃないですか。
     *
スイングジャーナルの編集部は、石岡瑛子氏の言葉に耳を傾けなかったのか、
それとも理解していなかったのか。

《ジャズというフィールドを10年も20年も前のジャズの概念できめつけている》とある。
1978年11月ごろに座談会は行われているはずだ。
つまり、その後も、10年も20年も変らずだった。

《古いミュージシャンは、変ることなく、安全でわかりやすい、もうくたびれきったことを何度も何度も繰り返して、博物館のガラスの中の陳列物みたいになっている。》
マイルス・デイヴィスが、自叙伝で語っていることだ。

スイングジャーナルは、何度も何度もマイルス・デイヴィスを取り上げていた。
マイルスの、このことばのままの雑誌になっていった。

Date: 10月 5th, 2020
Cate: 映画

TENET

今日は、映画「テネット(TENET)」を観てきた。
ストーリーについては、話題になっているし、
あれこれ語りたがる人はいるだろうが、
ここで書きたいのはストーリーとか映画の出来、感想ではなく、音である。

冒頭のキエフのオペラ劇場のシーンからそうなのだが、
いつもと音がずいぶん違うことに、すぐに気づく。

私はIMAXで観た。
東京ミッドタウン日比谷にあるTOHOシネマズで観た。

IMAXで観る時は、大半がここである。
だから、どんな音なのかはわかっているはずなのに、
「テネット」は最初の音が鳴ってきてすぐに、
スピーカーが変ったのだろうか、と思いたくなるほど、
いつもの音とはそうとうに違っていた。

とにかく、全体に硬質な音である。
ゴツゴツしている感触がある、といってもいいくらいである。
しかも音量も、他の映画の同じようなシーンよりも大きめのようにも感じた。

背景音、効果音、音楽、すべて硬質な感じが一貫している。
それに背景音も、かなり大きく、字幕があるからいいけれど、
日本語の字幕が読めない外国の人だと、
セリフの聴き取りもけっこう大変な感じもしたシーンもあった。

どうも、あえて、そんな音づくりをしているようである。
日比谷のTOHOシネマズのスピーカーが変っていないことは、
映画本編が始まる前の告知や予告編での音でわかる。

「テネット」の音は、オーディオマニアの私にとっては、
興味深くもあり、オーディオ的快感も感じたりするのだが、不快に感じる人もいよう。

ホームシアターを趣味としている人ならば、
ソフト化が待ち遠しいのではないだろうか。

私はテレビも持っていないので、
サウンドトラックが、どんな仕上がりなのかに興味がある。
11月に発売になる。

Date: 10月 5th, 2020
Cate: 正しいもの

正しい音と正しい聴き方(番外)

今日昼ごろ、神田のパン屋に行った。
古くて小さなパン屋で、昭和からあるパン屋といった風情である。

初めて入るパン屋である。
ここ数年の、私のちょっとした楽しみは、
こういう昭和のパン屋といいたくなる店で、いわゆる調理パンを買うことである。

カタカナで、しかも一度見ただけでは暗記できないような店名のパン屋、
きれいで広くて、パンの値段もやや高めというところも好きなのだが、
ますます数が減ってきている昭和のパン屋は、
あと十年もしたら、ほとんど見かけなくなるのではないだろうか。

いまはスマートフォンがあり、Google Mapを入れていれば、
パン屋と入力すれば、付近の店を表示してくれる。
いろんなところに行っては、こうやって探している。

今日のパン屋に入ったら、モーツァルトのピアノ・ソナタが鳴っていた。
BGMとしては大きめの音量だった。
店主が好きで聴いているような感じを受けた。

店内のテーブルに置かれたラジカセから鳴っていた。
特に高級なラジカセではないけれど、
店に入った瞬間に、グールドのモーツァルトだ、とわかった。

店主に確認したわけではないが、グールドのモーツァルトである。

鳴っていたのは特別な音ではない。
いわゆるラジカセの音でしかない。
それでもグールドのモーツァルトだ、とわかるほどに、
グールドのモーツァルトで聴ける清新さは、きちんと伝わってくる。

グールドのゴールドベルグ変奏曲が、
とても変な音で鳴っているのを聴いたことがある、と以前書いている。

一つは個人宅で、もう一つはある輸入元の試聴会だった。
そんな音で、グールドのモーツァルトが鳴っていたら、
誰の演奏かはわからなかったはずだ。

Date: 10月 5th, 2020
Cate: ショウ雑感

2020年ショウ雑感(その30)

(その28)で、東京での開催にこだわることも考えた方がいいのかもしれないが、
国際フォーラムのような建物が、東京以外にあるのだろうか、と書いた。

(その28)は、7月に書いている。
私が知らなかっただけなのだが、今年4月に奈良県コンベンションセンターがオープンしている。

今日知ったばかりで、実際に行っているわけではないが、
奈良県コンベンションセンターはオーディオショウとして使えるのではないだろうか。

いま大阪のオーディオショウはホテルでの開催である。
以前書いているように、大阪のオーディオショウは、
ずっと以前の輸入オーディオショウのままといっていい。

近畿地方のオーディオショウは、奈良県コンベンションセンターでの開催。
うまくいけそうな感じがするのだが、どうだろうか。

Date: 10月 4th, 2020
Cate: 老い

老いとオーディオ(とステレオサウンド・その8)

ステレオサウンドの雑誌にビートサウンドがある。
あった、とすべきかな、と思い、ちょっと検索してみると、
休刊にはなっていないようだし、不定期刊行物扱いのようである。

ビートサウンドの創刊号が出たのは、二十年近く前のことのはずだ。
朝沼予史宏氏が編集長と創刊されたと記憶しているから、そのころのはずだ。

朝沼予史宏氏は2002年12月に亡くなられているから、
ビートサウンドの創刊号だけ携われていたはずた。

そのころまのステレオサウンドでは、クラシックとジャズが、
試聴レコードのメインであった。

ビートサウンドは、そこを突破したいという朝沼予史宏氏のおもいがあったのだろう。
ビートサウンドの創刊号を私は買わなかったけれど、
周りの人たちの評判はかなり良かった。

だから、その人たちは期待もした。
けれど、朝沼予史宏氏不在のビートサウンドは変っていった。
それはしかたないことだったのかもしれないが、
それとともに、ビートサウンドのことが、周りの人たちの話題にのぼることが減ってきた。

創刊号も買わなかったぐらいだから、それ以降の号も一冊も買っていない。
書店で手にとってパラッと眺めるだけか、
オーディオ好きの友人宅に行った時に、そこにあれば少しじっくり読むことはあった。

その程度の読み方(とはいえないけれど)しかしていないのだが、
スイングジャーナル化してきたな、と感じていた。

ここでのスイングジャーナルとは、
売れていたころの、勢いがあったころのスイングジャーナルではなく、
しぼんでいくだけのスイングジャーナルのことである。

Date: 10月 3rd, 2020
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(その19)

ネットギアのNighthawk Pro Gaming SX10は、amazonで購入した。
というよりもamazon以外では、すでに取扱いが終っていた。

二年くらい前に発表されているから、そろそろ製造中止、
もしくはモデルチェンジするのだろうか。

9月30日の夜遅くに注文して、今日届いた。
シャーシーがアルミではなく、亜鉛合金製なのは知っていた。

持つと、意外に重く感じる。
メリディアンの218よりも重量はある。

これで三万円なのか、と感心する。
もしオーディオ用として売られていたら、
十万円くらいの値がつけられても不思議でないのが、オーディオの世界でもある。

付属の電源アダプターは、しょぼい。
ここはなんとかしたいと考えているし、電源は自作してもいい。
とはいえ、10月7日のaudio wednesdayでは、この電源アダプターのまま使う予定だ。

218とNighthawk Pro Gaming SX10はを並べてみる。
悪くない。

悪くないんだけれども、
Nighthawk Pro Gaming SX10と218が逆だったら、とつい思う。
Nighthawk Pro Gaming SX10のシャーシーのなかに218が入っていたら、と。

Nighthawk Pro Gaming SX10の実力は、これからあれこれ試してみてのことになるが、
218の相棒としてぴったりの感じはしている。

Date: 10月 3rd, 2020
Cate: ショウ雑感

2020年ショウ雑感(その29)

インターナショナルオーディオショウの中止の発表後にも、
いくつかのオーディオショウの中止が発表になっている。
そこには来年のショウも含まれている。

来年も、どうなるのかはわからない。
東京オリンピックは開催されるような感じだが、
コロナ禍が終息せずに開催されたとしたら、
秋以降の感染は拡大していくのかもしれない。

そうなってしまったら、東京オリンピック後の東京でのオーディオショウは、
すべて中止になってもおかしくない。

劇的な変化があって、すんなり開催されることだってないわけではない。

とにかく今年は2月に開催されたTOKYO AUDIO BASE 2020に行っただけである。
でも、特にさびしいという気持はない。

田舎で生活よりも東京でのほうがすっかり長くなってしまっているけれど、
田舎にいたころは、オーディオショウは縁遠いものだった。

東京に行ってみたいと思っても、
中学、高校生の小遣いでどうにかなるものではない。

いまでこそ地方でのオーディオショウも活発になってきているが、
当時はそんなこともなかった。

ないのが、だから当り前だった。
それに戻っただけ、という感覚で受け止めているからなのだろう、
さびしい、という感じがしないのだ。

でも、あのころオーディオフェアに行きたい、と思いつつも、
無理してでも、とは思っていなかった。

東京に住んでいる人を羨ましく思っていたけれど、
東京に住みたい、とまでは思っていなかった。

そう思えたのは、オーディオ雑誌があったからだし、
オーディオ雑誌がおもしろかったからだ。

Date: 10月 3rd, 2020
Cate: 瀬川冬樹

瀬川冬樹というリアル(その4)

孤独な聴き手と孤立した聴き手は、まるで違う。
音楽は独りで聴くものだ。
私は、ずっとそう思っている。

家族といっしょに楽しむ音楽もいいとは思うけれど、
私には他人事のように感じてしまう。

そんな私が、audio wednesdayでは、
来てくれる人は少ないとはいうものの、同じ空間で同じ音楽を聴いていることを、
四年ほど続けている。

瀬川先生は、孤独な聴き手だった、と思っている。

どんなに広い空間を得られたとしても、
それがリビングルームで家族と一緒に聴くのであれば、
狭くてもいいから独りで聴ける空関をもつべきであり、
その理由として「音楽に感動して涙をながしているところを家族にみられてたまるか」、
という気持があるからである。

その瀬川先生は、オーディオ店での試聴会では、
来場者といっしょに音楽を聴くことになる。

そういう時は真剣に音楽を聴かれていない──、
人によっては、そんな見方をするだろうが、そうだろうか。

熊本のオーディオ店に定期的に来られていた瀬川先生をみてきた。
そんな感じは一度もなかった。

Date: 10月 3rd, 2020
Cate: ディスク/ブック

クラウス・テンシュテットのマーラー

別項「タンノイはいぶし銀か」で、
東欧のオーケストラの音についてのコメントがあり、
そのことで思い出したことを少しばかり書いた。

書いてしばらくして、そういえばと、
テンシュテットも東ドイツ出身の指揮者だったことを思い出す。

黒田先生だったと記憶しているが、
テンシュテットの録音がEMIが出始めたころに、
テンシュテットを大きな氷山に喩えられていた。

氷山の一角といわれるように海面にあらわれているのは、ほんの一部で、
海中にはその何倍もの大きさが隠れている。

テンシュテットが、そのころ見せ始めたのは、まさしく氷山の一角で、
これからその全貌を、われわれにみせて(聴かせて)くれるであろう、と。
そんなことを読んだ記憶がある。

なるほどなぁ、と思いながら読んでいた。
私が買った(聴いた)テンシュテットの最初のレコードは、マーラーだった。
六番が最初だった。

そのころステレオサウンドの試聴室で何度となく聴いていたレーグナーのマーラーの六番。
テンシュテットの場合は、亡命して西欧のオーケストラを振ってもので、
そのころは、そのへんのことをあれこれ考えながら(比較しながら)、
聴くことはしていなかったし、考えてもいなかった。

テンシュテットのマーラーは、その後もいくつか聴いている。
けれどマーラーばかり、テンシュテットばかり聴いているわけでもないから、
テンシュテットのマーラーをすべて聴くことはなかった。

テンシュテットの名声は、私がそうやって聴いていたころも、
あとになって非常に高くなっていた。
でも、そのころはテンシュテットから遠ざかっていた。

二年ほど前だったか、タワーレコードに、
テンシュテットのマーラー全集のCDボックスが、三千円を切る価格で売っていた。
ひさしぶりにテンシュテットのマーラーを聴こうかな、と思いつつ、
手にとっては見たものの、他に優先したいディスクがけっこうあり、
わずか三千円ほどであっても、レジまで持っていくことはなかった。

そのあとも、何度か店頭でみかけている。
いつこのあいだもみかけた。
それでも他のディスクを優先してしまった。

先日、タワーレコードのサイトを眺めていたら、
テンシュテットのマーラーの一番、五番、九番、十番(一楽章)、
テンシュテットのマーラーでアナログ録音だったものが、
SACDになっているのを知った。

何年か前に出ていたのに気づいていなかった。
今回は違う。ひさしふりにテンシュテットのマーラーである。