Posts Tagged XUV/4500Q

Date: 9月 21st, 2008
Cate: Harbeth, HL Compact 7ES-3, 組合せ

妄想組合せの楽しみ(その2)

デレク・ヒューズ設計の、HL Compact 7ES-3にぴったりのアンプが、
どんな感じに仕上がるのか、勝手に妄想するのも楽しいけれど、
現実の組合せを妄想するのは、もっと楽しい。

HL Compact 7ES-3を中心とした組合せを考えるとなると、
個人的に意識するのは、スペンドールBCII、ラックスLX38、ピカリングXUV4500/Qの音である。

この組合せの特質を、HL Compact 7ES-3の組合せにも求めたい。

友人のAさんは、販売店で聴いた、
ラックスのAクラスのプリメインアンプとの組合せの音に、まいってしまった、と話してくれた。
こういう話をきくと、ラックスの真空管式のプリメインアンプもいいだろうな、と思いながらも、
第一に試してみたいのは、ユニゾンリサーチのP70かP40である。

EL34のシングルアンプのS2の、余計なものを感じさせない音に魅力を感じるだけに、
ユニゾンリサーチ久しぶりのプッシュプルアンプの音は、いちばん興味のある音でもある。

別にS2でもいいような気もするが、パワーがすこし足りないだろうし、
音、というよりも響きの豊かさを求めるとき、すこし物足りなさを感じるだろう……。
それにP70、P40のガラスのフロントパネルを見ていると、
ラックスの過去の真空管アンプSQ5Bを思い出すのも、個人的に気にいっているところ。

Date: 9月 16th, 2008
Cate: 瀬川冬樹, 組合せ

ある組合せ

スペンドールのBCII、ラックスのLX38、ピカリングのXUV/4500Q、 
この組合せは、私にとって、いまでも特別なものである。 

熊本のオーディオ店のイベントに定期的に来られていた瀬川先生。 
ある時、イベントが終了して、まだすこし時間に余裕があったので、
瀬川先生が「今日ここにあるオーディオ機器で、聴いてみたい組合せや機種はありますか」
と言われたので、真っ先に手を上げてお願いしたのが、上記の組合せである。 

このとき、スピーカーは他にJBLの4341があったし、
アンプもマークレビンソンのLNP2やSAEの2500、
カートリッジもピカリングの他に10機種ほど用意されていた。 

BCIIは、別のイベントの時に聴いたことがあった。 
XUV/4500Qは、その日のイベントで聴いたばかり。 
LX38の音は、(たしか)耳にしたことはなかった。
十分にその素性を掴んでいるモノはひとつもなかった。
けれども、これら3つの組合せが、パッと頭にひらめいた。

もっと高価な組合せもお願いできたけれども、
どうしても聴きたかったのは、この組合せで、
BCIIの音に惹かれていただけに、もっともっといい音でBCIIを聴きたい、と思って、である。 

「BCIIにラックスのLX38で、カートリッジはXUV/4500Qでお願いします」と言ったところ、
瀬川先生が「これはひじょうにおもしろい組合せだ。ぼくも聴いてみたい組合せ」と言われ、
わくわくされている感じを受けた。 

そして鳴ってきた音は、いまでも憶えている。 

一曲鳴らし終わった後に、「いやー、これはほんとうにいい音だ。玄人の組合せだ!!」と言われ、
ちょうど最前列の真ん中の席が空いていたので、そこに座られ、
瀬川先生のお好きなレコードを、もう1枚かけられて、
そのときの楽しそうに聴かれていた表情と、「玄人の組合せ」という褒め言葉が、
二重にうれしかった。 

なにせ当時高校2年生(16歳)だった私は、
特に「玄人」という言葉が、うれしくてうれしくて、
ひそかに「才能あるんだな、オレ」と自惚れていた。 

「BCIIとLX38ですこし甘くなりがちになるところを、XUV/4500Qでピリッとさせる。
見事な組合せだ。BCIIとLX38がこんなに合うとは思わなかった」とも言われた。 

その約半年後に、ステレオサウンドの別冊として出たコンポーネントの組合せの本に、
カートリッジは異っていたけど、菅野先生も、BCIIとLX38を組み合わされている。

スペンドール、ラックス、ピカリングは、
私にとって、いわゆる黄金の組合せ、もしくは三位一体の組合せ、である。