My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その6)
ステレオサウンド 45号に「HQDシステムを完成させたマーク・レビンソン氏に聞く」という記事がある。
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今日において、われわれの有するステレオ・コンポーネントの数々は、その再生能力において普通手に入るソース・マテリアルの持つフィデリティーをはるかに凌駕するものがあると思います。実際に、私達の製品の持っている本当の能力を正しく評価するためには、音の差について判断を下すことを可能にするような、特製のレコードやテープを用いることなしに不可能です。
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こう語るマーク・レヴィンソンはMLA(Mark Levinson Acoustic Recording)社をつくって、
スチューダーのマスターレコーダーA80のトランスポートと
自社製のエレクトロニクスによるML5による録音を行い、
アナログディスク(45回転UHQR盤)、ミュージックテープ(オープルリールテープ)を販売していた。
レヴィンソンが言っていることは正論ではある。この記事を読んだ中学生だった私は、確かにそうだ、と頷きながら読んでいた。
それでは当時MLAから出ていたディスクやテープを買ったかといえば買わなかった。
MLAのディスクはレコード会社扱いではなく、当時のマークレビンソンの輸入元だったRFエンタープライズだったこともあって、レコード店には並ばなかった。
仮に並んだとしても田舎のレコード店では無理だったし、けっこう高価だった。
といってもマークレビンソンのアンプの価格からすればずっと安価で、無理すれば買えない価格ではなかったし、オーディオ店で注文すれば買えただろう。
でも買わなかったのは、その音の良さには関心があったけれど、聴きたいと思える録音内容ではなかったからだ。聴きたいディスクを全て揃えているような人ならば、どんなものだろうという関心から買うのだろうが、聴きたいディスクは山ほどあるけれど、そうポンポンと買えるわけではないから、関心はそれほどでもなかった。
何を録音するのか。このことがオープンリールデッキ(を含めての録音機器)への関心を大きく揺さぶる。